実際の試合映像に合わせ、ホームランを打つとド派手な演出が登場【写真提供:横浜DeNAベイスターズ】

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オンライン版パブリックビューイングを仮想世界で実現、未来の応援のカタチ

 今シーズンのNPBはコロナ禍により無観客で開幕を迎え、有観客となった現在も5000人という上限を設定している。観戦チケットは入手困難で、ファンは自宅や密集しない場所でのリモート応援を中心に、ご贔屓のチームにエールを送っている。新たな生活様式同様に、新たな応援方式が求められる中、横浜DeNAベイスターズはKDDIとタッグを組み、次世代の野球観戦「バーチャルハマスタ」を発表した。

 仮想空間に横浜スタジアムの一部を再現し、オンラインでファンが一緒に野球観戦や応援が楽しめる「バーチャルハマスタ」。先日、11日に行われた本拠地・阪神戦で無料トライアルが開催され、約3万人が少し未来の応援を先取り体験した。

 観戦に利用されたのはバーチャルSNS「Cluster」で、専用アプリをダウンロードすれば、パソコンやスマートフォン、タブレットはもちろん、VRでも楽しむことができる。参加者はアバターとなって、仮想空間に立つ横浜スタジアムを訪問。スタジアムの外から入口を通過すると、忠実に再現されたコンコースへと繋がっている。売店が並ぶコンコース内を歩き回ることもでき、球場を何度も訪れたことのあるコアなファンなら、階段や柱の位置までおなじみの光景が再現されていることが分かる。

グループビューイング機能で仲間と観戦、ジャンプ機能で「康晃ジャンプ」も再現

 アバターが試合観戦を行うのは、客席のあるスタンドではなく、普段は試合が行われているグラウンドの上だ。コンコースから球場内へ向かうと、まずたどり着くのはダグアウト。監督、コーチ、選手らチーム関係者しか入れない“聖域”に足を踏み入れることができ、かつ撮影機能を使えば、ダグアウト内で記念撮影もできる。

 ダグアウトを通過してグラウンドに足を踏み入れると、本物の横浜スタジアムと同じバックスクリーンのメインビジョンがある他、選手や球団マスコットのスターマンの巨大パネルが設置されている。アバターはグラウンド内であれば、どこでも自分の好きな場所に移動し、観戦することができる。試合時間が近づくと、グラウンド中央に特設ビジョンが降りてきて、そこに試合映像が映し出されて観戦を楽しめるというわけだ。

「バーチャルハマスタ」は、オンライン版のパブリックビューイングといえば、イメージしやすいかもしれない。この日は球団OBの荒波翔氏と、お笑いタレントでDeNAファンの堤下敦氏がゲスト出演。試合中はここでしか聞けない情報やトークを披露したり、グラウンドにアバターで登場したりと、ファンを大いに盛り上げた。

 また、DeNAの選手がホームランを打つと、バーチャル空間でしかできない演出が登場。アバターがジャンプする機能も付いていて、DeNAファン恒例の「康晃ジャンプ」もバーチャル空間で再現できたり、ジェット風船を飛ばすことができたり。その他にも、グループビューイング機能を使えば、ボイスチャットを使って友達とグラウンド内で待ち合わせ、手を叩いたり、ペンライトを振ったりしながら応援することができる。

ゲスト出演した球団OB荒波氏も驚愕「細かいところでスタジアムがリアルに再現」

 無料トライアルの前に行われたメディア説明会には、球団からブランド統轄本部長の林裕幸氏、KDDIからはパーソナル事業本部サービス統轄本部5G・xRサービス戦略部長の繁田光平氏が参加し、両者の取り組みについて説明をした。林氏によれば、コロナ禍によりファンと球団の距離が遠くなりそうな中、DeNAでは公式YouTubeでの人気企画「突撃!!ヤスアキマイク」、Zoomを利用した観戦イベント「オンラインハマスタ」などを実施。球場に来られないファンのために何かしたいという想いから「バーチャルハマスタ」は生まれたという。

 元々、KDDIと協力し、5Gを利用した新しい観戦体験を球場で提供しようと計画していたが、今シーズンの状況を受けて「バーチャルハマスタ」の実現に舵を切り直したという。繁田氏によれば、現実の野球観戦とは違ったバーチャルならではの世界観を表現し、味わってもらいたいという。

 ゲスト出演していた荒波氏は「バッターボックスから見る風景など、細かいところでスタジアムがリアルに再現されていて本当にビックリしました」と、そのリアルさに驚愕。さらに「ただリモート観戦するのではなく、バーチャル空間の中にアバターがあることで動きがあるのがいいと思いました。自分自身もグラウンドに入り、アバターで写真を撮ったり追いかけっこをしたり、ファンの皆さんとの距離を近く感じられる企画だと思いました」と、新たな応援方式としての可能性を十分に感じたようだ。

 今回の無料トライアルから得たフィードバックなどを検討しながら、今後、本格的な運用計画を具体化させていくとのこと。球場での現地観戦が難しくなった今、テレビ中継やインターネット配信での観戦に続き、アバターながら視聴者も積極的に応援に参加できる新たな応援方式として、「バーチャルハマスタ」のような仮想空間を利用した応援が身近なものとなる日も近そうだ。(Full-Count編集部)