米フロリダ州オーランドで、ドナルド・トランプ米大統領に抗議する定年退職者(2020年7月23日撮影、資料写真)。(c)Bryan R. Smith / AFP

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【AFP=時事】米南部フロリダ州在住のジム・ファー(Jim Farr)さん(77)は、熱烈な共和党支持者だ。太陽が降り注ぐフロリダ州には全米から多くの定年退職者が移り住み、強力な一大選挙区となっている。

 ファーさんは民主党に投票したいとは思わない。しかしドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の再選はそれ以上に望まないという。

 敬虔(けいけん)なキリスト教徒のファーさんは、中絶を「胎児の殺害」に等しいと考えており、「思いやりのある資本主義」が良いと考えている。ファーさんによれば、支持者を失っているのは共和党ではなく、大統領自身だという。

 ファーさんは、前回2016年の米大統領選でトランプ氏に一票を投じたがトランプ氏に失望。次の大統領選では恐らく、民主党のジョー・バイデン(Joe Biden)氏に投票するだろうと言う。

 こう考えるのはファーさんだけではない。接戦州のフロリダ州で、次回はトランプ氏に投票したくないと考える定年退職者が増えている兆候がある。

 前回の米大統領選でトランプ氏にフロリダ州での勝利をもたらしたのは高齢の有権者層だった。投票した65歳超の有権者のうち57%がトランプ氏に投票した。

 米フロリダ国際大学(Florida International University)で選挙政治を専門としているランディー・ペスタナ(Randy Pestana)氏は、フロリダ在住の高齢者の間でバイデン氏が支持を広げていることについて、「そうした傾向があるのは確かだ」と述べ、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)が一因になっていると指摘する。

 同氏によれば、「新型コロナウイルスによる健康被害を最も受けやすい高齢者層は、政府の対応は良くなく、経済も良くなく、自分たちの退職後の生活も良くないと思うようになってきている」という。

 フロリダ州は選挙結果の予想が非常に困難で、接戦になる傾向があるため、全米が固唾をのんで結果を見守ることが多い。

 つまり1票の重みが大きいということだ。支持政党を変える有権者がいれば、たとえその人数が少なくても、結果に非常に大きな違いが生じる可能性がある。

 忘れられないのが2000年の米大統領選だ。当時フロリダ州では共和党のジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)候補が民主党のアル・ゴア(Al Gore)候補に537票という僅差で勝利し、ブッシュ氏が大統領になった。

 ノースフロリダ大学(University of North Florida)のマイケル・ビンダー(Michael Binder)教授(政治学)は、「共和党を支持する高齢で白人の有権者が雪崩を打ってトランプ氏に見切りをつけることはないだろうが、わずかな変化でも結果に影響を与える可能性がある」と指摘している。

【翻訳編集】AFPBB News

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