ロシアの研究所が開発した新型コロナウイルスのワクチン。ロシア直接投資基金提供(2020年8月6日撮影)。(c)AFP PHOTO / Russian Direct Investment Fund / Handout

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【AFP=時事】ロシアが11日、新型コロナウイルスに対する「持続可能な免疫」を作る世界初のワクチンを開発したと発表したことを受け、その効果について懐疑的な見方が広がっている。

 ワクチンは、1950年代に旧ソ連が打ち上げた人工衛星にちなみ、「スプートニク(Sputnik)」と命名された。同国のウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は、ワクチンは安全であり、自身の娘の一人が接種したと説明している。

 ただ、ロシア保健省によると治験は完了しておらず、2000人以上を対象とした最終段階は12日に始まる予定。欧米の科学者らはロシアのワクチン開発の速さを懸念し、開発者らが手順の一部を省略している可能性を示唆していた。

 世界保健機関(WHO)のタリク・ヤシャレビチ(Tarik Jasarevic)報道官は、ロシア保健当局と「緊密な連絡」を取り合っているとしつつも、ワクチンはWHOの承認を得る段階にはないとの見解を表明。ドイツ保健省の報道官は新聞社グループ「RND」に対し、「ロシアのワクチンの品質、有効性、安全性に関する既知のデータはない」と指摘した上で、「患者の安全が最優先だ」と述べた。

 ロシアは9月にワクチンの生産を開始し、医療従事者への接種を始めたい意向だ。開発を援助した政府系ファンド(SWF)「ロシア直接投資基金(RDIF)」のキリル・ドミトリエフ(Kirill Dmitriev)最高経営責任者(CEO)は、ワクチンに関する疑念について、「組織化され慎重に画策されたメディアによる攻撃」の一環であり、ロシアの「信用を傷つける」狙いがあると指摘。ワクチンは既に20か国から10億回分以上の予約注文を受けていると明らかにした。

【翻訳編集】AFPBB News

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