エレイン・トーさん(右)とヘンリー・トンさん。香港で(2020年6月22日撮影)。(c)Anthony WALLACE / AFP

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【AFP=時事】香港の民主派デモで暴動に加わったとして起訴されたヘンリー・トン(Henry Tong)さんとエレイン・トー(Elaine To)さん夫妻は、結婚1周年の記念日を別々の刑務所で過ごす覚悟をしていた。

 しかし、裁判所は先月末、検察側の証拠が不十分だとして夫妻に無罪判決を言い渡した。2人は驚き、目に涙を浮かべた。 

 それでも、これから日常生活と仕事を再開させる夫妻には、長い道のりが待ち構えている。トンさんは無罪判決の翌日、AFPに対し「われわれはすでに罰を受けている」と語った。

 夫妻が無罪放免となったこの判決は、同じ罪に問われているデモの参加者数百人にとって重要な意味を持つ可能性がある。

 香港の民主派デモで逮捕された参加者は9000人以上。うち650人以上が暴動罪で起訴されている。同市が今、抱える裁判はほとんどデモに関するものだ。

 暴動罪は英統治下の香港で広範な犯罪に適用されていたもので、批評家らは長らく改革の必要性を訴えている。

 現行法上、3人以上による特定の暴力行為があれば、当局はあらゆる抗議行動を暴動と宣言できる。そして警察当局はそうした抗議行動に参加したあらゆる人を拘束することができ、昨年の一連のデモでは多くの参加者を逮捕した。

 しかし、夫妻の2か月に及ぶ裁判は、デモに参加したこと以上の証拠を、裁判所が検察当局に求めていることを示唆するものとなった。

 夫妻は昨年7月28日、市内の上環(Sheung Wan)で警察とデモ隊が衝突した際、10代の少女と共に路地裏で逮捕された。

 検察当局は夫妻が防毒マスクとラジオを所持していたことを根拠に、2人が衝突に加わっていたと主張した。一方、弁護側は、夫妻は警察が発射した催涙弾の煙から人々が逃げるのを助けていたと主張。デモには参加したが、警察との衝突には加わっていなかったと反論した。

 夫妻は拘束後、最初に保釈された4日後に結婚した。そして今、結婚1周年をどう祝おうか考えている。トーさんは「パスポートを没収されたので、昨年は新婚旅行に行けなかった」と振り返った。

【翻訳編集】AFPBB News

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