食べまくりでも、働きながらでも、30歳を過ぎても、簡単メソッドで理想の体を手に入れられます(撮影:MKglobe)

オーストラリア・ニュージーランド銀行、シニアリレーションシップマネジャー。社内トップクラスの営業成績を誇るエリート銀行員でありながら、オールジャパン・ビキニフィットネス選手権大会では「5年連続チャンピオン」、IFBBビキニフィットネスでは「日本人最高の世界4位」を獲得するなど、「競技と仕事の二刀流」にこだわり続ける安井友梨氏。
『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ)、『みんなで筋肉体操』(NHK)、『マツコの知らない世界』(TBS)など、メディア出演も多く、「食べまくりダイエットと効率的な筋トレ」で注目を集めている。
その「安井式メソッド」を全公開した『筋肉をつけて24時間代謝を上げる! 働きながらやせたい人のための「食べまくりダイエット」&「超時短ゆるガチ筋トレ」――自宅でできる簡単メソッド』が本日発売された。最新刊を上梓した安井氏が、「自身の人生を変えたきっかけ」を語る。

コンプレックスの塊だった「ぽっちゃりOL時代」

私は子どものころからずっと太っていました。大人になってからのピークは70キロ以上もあり、体型もコンプレックスの塊でした。


「ぽっこりお腹で猫背」「足が太くて短く」「お尻は平らで四角形」……。とくにお尻は最大の悩みで、つねにお尻が隠れる服しか着ませんでした

大学を卒業して就職してからも、おデブ街道一直線。最初の就職先はある有名証券会社での営業職でしたが、とにかく忙しい。ストレスはどんどんたまり、そのはけ口をすべて食べることで解消していました。

もともと、私の家族は一家そろって大食いで、いつもおかずは争奪戦、ご飯もおかわり3杯は当たり前の食生活でした。ストレスがないときでも食べる量が半端なく、とにかく食べまくりました。

毎日ランチタイムになると、ひとりで食べ放題のお店へ。そこでストレス解消を兼ねて、時間いっぱいまで食べまくるのです。ランチにひとり、食べ放題でがっつくОL……。ちょっと怖いものがあったかもしれません。

「食べまくりといっても、実際はそれほどでもないのでは?」とよく言われますが、私の大食いは「男性も顔負け」です。全然イバれた話ではありませんが、私は大食いでは「数々の伝説」(?)をつくっているので、実例を紹介します。

以下は、私の「大食い記録」のほんの一例です。

●グループで焼き肉食べ放題に行って、友達がお皿にとって食べきれなかった分を私が完食
●焼き鳥店のコースで「ひとりで3人前(30本)」を食べて、「もっと出してください」と注文したら、お店の人に「もうネタがない」と言われた。
●そのコースのシメにラーメン、カレー、うどんなど5種類が用意されていたが、「その全部を大盛りでください」と言って、お店の人をフリーズさせた。
和菓子は一箱全部食べる
「赤福餅」は1回に1列(4個)をすくって一口で食べ、3すくいで1箱12個入りを完食するのがお気に入り。
●大大大好きなおはぎは、「いっきに20個」は軽く平らげる。
シュークリームも「いっきに20個」は当たり前
ケーキは「ひとりで1ホール」食べる。
●大学時代は和菓子が食べたいがために茶道部に入部。バイト代はすべて食べ歩きに費やす。
男性も含めて、自分より大食いな人を、いままで身近に見たことがない

これは、ひとつも誇張していません。競技生活では1年を通してオンとオフの期間があるのですが、オフの期間は、いまでもこれくらいの量を食べています

転機は、母が「20キロ以上のダイエット」に成功

これだけ食べれば、当然太ります。以前の私もそうでした。

ダイエットに挑戦しても失敗、リバウンドを繰り返し、さらに落ち込む――。そんな、どうしようもなく冴えないOLだったのです。

そんな私に転機が訪れたのは30歳のとき。家族のなかでも、母と私はとくに太りやすい体質で、母は体重が80キロ以上ありました

その母が、ある日、スポーツジムに通い始め、なんと「20キロ以上のダイエット」に成功したのです。

母は子どものころから太っていて、何度もダイエットに失敗して、病院やエステに通ってもやせられなかった人。やせた母はビックリするほど若返っておしゃれになって、毎日楽しそうに出かけるようになりました。「やせたら人生変わるんだ!」それを見てつくづく思いました。

そこである日、母に誘われて、スポーツジムへ行くことに。それが「私の運命を大きく変えるきっかけ」になったのです。

「ビキニフィットネス」との衝撃的な出合い

ジムに通い始めてから半年ほどは、1キロもやせませんでした。たいしてトレーニングもせず、「お風呂目当て」で通っていたから、それも当然です。

あるとき「やせない」とトレーナーに愚痴をこぼしたら、「安井さんは、何か目標とかはないんですか? 次に来るとき『理想の人の写真』を見せてください」と言われたのです。

そこで早速インターネットで検索。すると「ビキニフィットネス第1回優勝者」の姿が目にとまりました。

ボディビルみたいなムキムキではなく、「筋肉がほどよくつき」「ウエストはキュッと引き締まり」「ヒップは丸みがあってプルンと上向き」「女性らしいメリハリとしなやかさがある、健康的な美しいボディ」……しばらく見とれてしまうほどでした。

さらに調べてみると、その人は普通の主婦なのに、トレーニングをしてボディをつくり上げ、なんと全日本大会で優勝したというのです。

「普通の主婦の人でも、こんなスーパーボディになれるんだ!」「これなら私も目指せるかもしれない!」

ビキニフィットネスをやるには、専門の指導ができるトレーナーにつく必要があるのですが、当時の私は、何のつてもありません。だから、その優勝者が通っていたジムを探し当て、そこに移ることにしたのです。

その前に、まず決行したのが「ダイエット」。糖質カットをして、お菓子もやめて、夕食は鍋などの野菜中心の食生活に切り替えました。それを必死に続けたら、「3カ月で15キロ以上の減量」に成功したのです。私の人生で初の「ダイエット成功」でした。

「これでビキニフィットネスの体になるのも夢じゃない!」自信満々で、さっそうと新しいジムの門をたたきました。

しかし、そんな私に、ジムのトレーナーはいちべつしてこう言いました。

「身長に対して足が短いね」「肩幅がないし、上半身は貧弱。小学5年生ぐらいの上半身だな」「ズン胴で下腹ぽっこりだし、胸も尻も垂れている」「まるで妖怪の『餓鬼』みたいだな」

初対面の人に、ここまではっきり言われたことは初めてでした。しかし、その言葉以上に、ビキニを着て写真を撮ってもらったときに、さらに衝撃が走りました。

あれほど頑張ってやせたのに、そこに写っていたのは、「自分の理想」とはかけ離れた「筋肉を失った脂肪だらけのたるんだ体」だったのです。

「ビキニフィットネス」の目標は「女性らしいボディ」です。ほどよく筋肉がついた健康的なプロポーションを目指します。バストはしっかりあって、ウエストはしっかり絞れているけれど、お尻はプリッと丸みがあってアップしている。まさに「砂時計」のような、そんなボディを理想とします

写真に写った自分を見て「これはもうビキニフィットネスどころじゃない」と諦めかけた私でしたが、そのトレーナーは続けて言葉をかけてくれました。

「次の大会まであと10カ月しかないよ」「もし君が日本一を目指してやるなら、必ず優勝させてみせる」「だから、僕を信じてついてきて」

この言葉には驚きました。でも、いままで失敗ばかりだったダイエットに、今回初めて成功できたのです。「ここで引き下がったら一生、何も取りえのないぽっちゃりOLのままだ」と思い、大会にむけてトレーニングを始めました。

ビキニフィットネスは「ただやせればいい」ではない

本格的にトレーニングを始めて、最初にやったのは、なんと「増量」でした。理由は、私がとても姿勢が悪く、つくべきところに筋肉がついていないため、「いまのままトレーニングをして筋肉をつけても、きれいな体にならない」ということでした。

10キロ増やした後、本格的に筋トレを開始し、食事も筋肉のもととなるタンパク質を切らさない食事を徹底し、玄米、野菜という、本格的なボディビルダーの食事にシフトしました。

すると、私の体は確実に変わっていき、さらに体重が落ち、筋肉がみるみるついてきました。鏡を見て成長していくのが自分でもわかるくらいに、毎日体が激変していったのです。

「こんな私でも、30歳過ぎでも、変わることができるんだ!」気持ちが前向きになり、「外見」だけでなく「メンタル的」にも、どんどん「自信」がついていきました

こうして出場した「JBBFオールジャパン・ビキニフィットネス選手権」まったくの初心者で、しかも「わずか10カ月のトレーニングで出場する」というありえない挑戦でした。

周りは経験豊富な選手ばかり。さらにビキニスタイルという慣れない格好。もともと人前に出るのが苦手だった私は、緊張で審査中のポーズも表情もガチガチになっていました。

そして結果発表。当然「私には関係ない」と思っていたので、出場者の後ろにボーっと突っ立っていましたが、なんとそこで、私の名前が呼ばれたのです初めて出た大会で、総合優勝を果たしてしまったのです。

「え、私!? ウソでしょ!」言葉では言い表せないほど驚くと同時に、心の底から「何の取りえもない、どこにでもいるぽっちゃりOLでも、30歳を過ぎてからでも、やってみればできるんだ!」と喜びがこみ上げてきました。

私にとって、初めて「人生」を実感できた瞬間でした。

人生を変える「3つの言葉」がある

ただ、優勝はしたものの、優勝するまで10カ月という短期間であったことに自分の中で納得がいかず、「肉体的にも精神的にも『真のチャンピオン』になりたい!」という思いがどんどん強くなっていきました。

「いままでのゆるい生活を捨てて、チャンピオンとしての人間性も磨かなくては」と、この日をスタートに「世界の舞台」を目指した、私の「真の競技人生」が始まりました。現在は、多くの人の支えを受けて「仕事と競技の両立」をテーマに、どちらも手を抜くことなく、日々鍛錬を続けています。

私自身、何の取りえもない「普通のOL」でした。競技を始めたのは30歳を過ぎてからです。そんな私でも、人生を変えることができたのです。

だからこそ、皆さんに贈りたい「人生を変える言葉」が3つあります。

【1】「できるかできないかではなく、やるかやらないか」
【2】「最高の明日を迎える準備を今日できているか?」
【3】「ただ自分を信じ、"やってみよう"と挑戦すれば、その先の未来では、誰でも"無限の可能性"がつかめる」

自分と未来は、変えることができます。「理想の体」と「自信」を手に入れることで、皆さんの人生がよりすばらしいものに変わりますように!



(『筋肉をつけて24時間代謝を上げる! 働きながらやせたい人のための「食べまくりダイエット」&「超時短ゆるガチ筋トレ」――自宅でできる簡単メソッド』より)