人気のドリンク「A Real Pleasure」

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 今月オープンした日本初の完全ノンアルコールバー「0%」が、話題を集めている。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、8月中旬ごろまでは完全予約制で営業。予約はほとんど埋まっており、1日あたり30組ほど来店しているという。

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 0%ではノンアルコールドリンクのみを提供しており、フルーツにバジルをあわせた「A Real Pleasure」やコールドブリューコーヒーにフレッシュグレープフルーツを組み合わせた「Goldentree」など、20種類以上のドリンクをラインナップ。客層は幅広く、特に車を利用する人や妊婦など飲酒ができない人から好評だという。また、Wi-Fiやコンセントを備えていることから打ち合わせのシーンでも活用されている。

 0%の発起人は、キュレーションメディア「メリー(MERY)」でブランディングなどを経験し、現在は小橋賢児氏が代表を務めるザ・ヒューマンミラクル(The Human Miracle)のCOOとして活動している山本麻友美氏。日頃から、日本のレストランにノンアルコールドリンクの選択肢が少ないことに疑問を抱いていたといい、昨年6月のニューヨーク出張でノンアルコール専門店のバーが繁盛している様子を見た際に「日本にあってもいいのでは」という考えからプロジェクトの構想をスタート。ニューヨークのほか、イギリスでもノンアルコールのリキュールなどが多く市場に展開されており、ノンアルコールドリンクに焦点を当てたフェス型イベント「マインドフルドリンキングフェス」も開催されるなど海外ではすでに浸透しているという。

 こうしたノンアルコールブームの背景には、昨今の健康志向の高まりから飲酒を控える人が増えているミレニアル世代やZ世代の存在がある。心身の健康を保つため"お酒は飲めるけどあえて飲まない"を意味する「ソバーキュリアス(Sober Curious)」というスタイルが今のトレンドで、「見せかけ」を意味する「モック(mock)」と「カクテル(cocktail)」を掛け合わせた造語「モクテル」という言葉も誕生した。

 日本国内でもノンアルコールドリンクが流行する兆しが見えている。サントリーが実施したアンケート「ノンアルコール飲料レポート2019」によると、2009年から2019年にかけて、国内のノンアルコール飲料の売上は約4倍に増加しているという。

プロデューサーの山本麻友美氏

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響から外で飲む回数が減ったことで、日本でも若い世代を中心にアルコールに対する価値観や付き合い方が変わりつつある。近年はノンアルコール市場に参入する企業が増えており、商品のバリエーションも広がっている。山本氏は「一時のブームだけで終わって欲しくはない。今まで以上にレストランやホテルのバーでノンアルコールの種類が増えて欲しいし、ノンアルコールを新しいカルチャーの一つとして発信していきたい」と話した。家でも楽しめるよう、家でも楽しめるよう、同店オリジナルドリンクのEC販売も視野に入れている。

■0%
住所:東京都港区六本木5-2-4 ANB Tokyo 1階
営業時間:10:00〜22:00
公式サイト