探偵歴10年以上、浮気調査に定評があるリッツ横浜探偵社・山村佳子が目撃した、男と女の浮気事情。

パートナーがいる男女の恋愛の詳細を、美人探偵・山村佳子がその事件簿から紹介します! 

浮気がバレた後の夫婦関係、浮気調査のポイントについても語ります。

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今回の相談者は、人気インスタグラマーの西本花梨さん(仮名・35歳)。彼女は、専業主婦をしながらSNSで有名になりつつある、キラッキラの女性です。ナチュラルで清楚な美人で、都会的でありつつ、丁寧な生活をしている感にあふれています。

2児の母とは思えないくらいの抜群のスタイル。赤紫色のシンプルなノースリーブニットから、鍛えられた腕がスッと伸びています。カウンセリングルームには、生後8か月だという赤ちゃんと一緒にお見えになりました。5歳になる上のお嬢さんは、乗馬のサマーキャンプに行っているとのこと。

「夫が浮気していて、証拠写真を私は持っています。離婚となった時に、慰謝料をがっぽりもらえるように、証拠をとってきてください」と言います。花梨さんは潔癖な性格で、1回の不倫でも絶対に許さないとのこと。

「これを見てください。夫がよくわからない派手な女と、大阪の街で歩いている写真です。こっちはそれとは別の女と、神戸でデートしている写真。2人とも知らない女ですが、これは完全に夫です」

花梨さんの夫はラフなリネン素材のシャツを着て、ハイブランドのトートバッグを持って、清楚なロングヘア女性の肩を引き寄せて歩いています。左手の薬指の指輪も、ばっちり写っています。旦那様は10歳年上、結婚7年とのこと。東京都心に生まれ育ち、金融関連会社に勤務している10歳年上のエリート男性です。

「夫の会社は丸の内にあります。夫は出張が多いですが、その時はスーツです。関西地方に興味がないから、プライベートでは行きません。私も東京で生まれ育っており、夫同様、関西には知り合いすらいません」

この写真は誰が撮影したのかと伺うと、「私のフォロワーさんです」とのこと。花梨さんはインスタグラマーで、フォロワーが5000人以上います。花梨さんのアカウントに上がっている写真を見たところ、旦那様は手元や後ろ姿などしか映っていません。

顔出しNGの夫の浮気現場を、直接本人を知らないフォロワーがおさえられた理由

「先月、私のアカウントに、『これ、ご主人ですよね』とダイレクトメッセージでこの写真が届きました。メッセージの送り主は私のフォロワーで、いつも“いいね”をくれる関西住みの女性です。この女性は、私の投稿をくまなくチェックして、その一部を真似るくらいの私のファン。夫に面識がないのに、なぜ夫かがわかったかというと、夫のシャツがちょっと変わっていたからなんです」

花梨さんは、ファストファッションで買った夫用のリネンシャツのボタンを、フランスのアンティークの貝ボタンに付け替えていたのです。

「彼女は私が投稿した、夫がワイングラスを持つ手元の写真に、『これファストファッションのリネンシャツですよね。でも雰囲気が違います!ステキです!』とコメントをくれた。それで、私が『プチプラリネンシャツも、ボタンを付け替えればオシャレになるんですよ』とコメントを返した。彼女は、同じことを自分の夫にもしたそうです。だから、街で私の夫を見かけたときに、シャツの色と雰囲気から、自分の夫だと思ったのだそう。でも違った。では、誰か?とっさに、私の夫だとひらめいて撮影して送ってくれたのです」

ボタンだけで、本人が特定できてしまう時代になっている……そう思いつつ、改めて写真を見ると、旦那様は女性の肩を抱いていますが、じゃれ合っているようにも見えて、証拠としては弱いもの。

「夫は私がインスタを始めた5年前から、モラハラが激しくなりました。フォロワーを拡大していることが気に入らないのでしょう。子供たちに対しても冷淡な態度をとっています。それまでは優しかったのに、最近は特にひどい。さらに、コロナを機に『おまえたちにうつしたらヤバいから』と、近くに別のマンションを借り、事実上の別居生活をしています。一切の家事をしないし、できない夫に身の周りのことはどうしているのかと聞くと、昔実家に来ていた家政婦さんが来ているのだという。なんか、いろいろ臭うんです」

花梨さんは、離婚するなら1000万円以上の慰謝料と、現在住んでいるマンション、月30万円の養育費がほしいといいます。

「夫の収入を考えると妥当なのですが、ヤツはケチだし、子供に愛情がない。この子のためにも証拠を取ってきてください」

なんでも撮影し、SNSに上げるようになってから、夫との仲が悪くなっていったという。

※本連載はプライバシーに配慮し、一部内容を変えています。

夫が浮気や別居をしていた理由は、「妻に生活を見られたくないから」……〜その2〜へ続きます。