リバプール移籍が話題となった南野(左上)や充実のシーズンを送った岡崎(右上)など、欧州でプレーする日本人ストライカーの出来を採点した。 (C) Getty Images、(C)Mutsu FOTOGRAFIA

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 欧州各国のリーグ戦はようやく終わりを迎えた。新型コロナウイルスによる中断や打ち切りという異例の事態となった2019-20シーズンに、日本人アタッカーたちはどのようなパフォーマンスを残したのか。100点満点で採点した。

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岡崎慎司(ウエスカ/スペイン2部)ーー80点(とてもよくやった)
【2019-20シーズン成績】
セグンダ・ディビジョン=37試合・12得点・0アシスト
コパ・デル・レイ=1試合・0得点・0アシスト

 昨夏に一度はマラガに加入しながら、財政難により選手登録が叶わず開幕直後に契約を解除。ドタバタで同じスペイン2部のウエスカへの移籍が決まったにもかかわらず、すぐにチームにフィットした点は称賛に値する。ゴールから遠ざかり、スタメンを外された時期もあったとはいえ、最終的にはチームトップの12ゴール。セグンダ制覇&1部昇格の立役者となった。

 豪快なボレーや得意のダイビングヘッドなど印象に残るゴールも少なくなく、また献身的な守備や途中出場でも黙々と役割をこなすプロフェッショナルな姿勢を見せ、指揮官やチームメイト、そしてファンの信頼を勝ち取った。シーズン終了後には契約を1年延長。来季は、念願のラ・リーガ1部の舞台で暴れ回る姿を見せてくれるはずだ。
南野拓実(レッドブル・ザルツブルク/オーストリア→リバプール/イングランド)ーー50点(可もなく不可もなし)
【2019-20シーズン成績】
プレミアリーグ=10試合・0得点・0アシスト
FAカップ=3試合・0得点・0アシスト
オーストリア・ブンデスリーガ=14試合・5得点・6アシスト
リーグ・カップ(オーストリア)=2試合・2得点・2アシスト
チャンピオンズ・リーグ=7試合・2得点・3アシスト(リバプールでは1試合・0得点・0アシスト)

 前半戦はザルツブルクで出色のパフォーマンスを見せつけ、レッズ入りを勝ち取ったが、プレミアリーグ初挑戦となった後半戦は決して褒められた出来ではなかった。

 モハメド・サラー、ロベルト・フィルミーノ、サディオ・マネという強力3トップが万全だったため出番が限られ、またチーム戦術にフィットしようとしている時に新型コロナウイルスによって、活動ができなくなってしまうなど、情状酌量の余地はある。だが、30年ぶりのリーグ制覇を成し遂げたチームのなかで、0ゴール・0アシストとインパクトを残せなかった点はやはり痛恨だった。

 シーズン終了後に指揮官が「失望していない。彼には時間がいる」と語った通り、本格的な戦いは2年目から。まずは限られた出場機会で、ゴールやアシストなど目に見える結果を残したいところだ。

大迫勇也(ブレーメン/ドイツ)ーー60点(及第点の出来)
【2019-20シーズン成績】
ブンデスリーガ=28試合・8得点・2アシスト
DFBカップ=4試合・1得点・2アシスト
ブンデスリーガ昇降格プレーオフ=2試合・0得点・0アシスト

 ヨーロッパカップ戦出場を目指しながら、プレーオフの末に辛うじて1部残留を決めたブレーメンに高評価がつく選手はいない。ブンデスリーガで自己最多の8ゴールを記録した大迫にしても継続性に欠けた。最初の4試合で3得点と好スタートを切るも、太ももの怪我で5試合を欠場。13節からは17試合連続でネットを揺らせなかった。

 持ち味のボールキープに乱れが生じるなどフィニッシュ以外でも精彩を欠き、スタメン落ち&現地メディアから厳しい批判に晒された時期もある。ただ、フロリアン・コーフェルト監督から信頼を寄せ続けられた男は、ラスト4試合で4ゴールと爆発。指揮官の恩に報いる活躍で逆転残留に寄与した。
武藤嘉紀(ニューカッスル/イングランド)ーー20点(失望した)