「レッドブル」創始者の孫、ウォラユット・ユーウィッタヤー容疑者。タイ・バンコクで(2012年9月3日撮影、資料写真)。(c)AFP

写真拡大

【AFP=時事】タイで、エナジードリンク大手「レッドブル(Red Bull)」の創始者の孫が起こしたとされるひき逃げ死亡事件をめぐり、最高検察庁は4日、改めて捜査するよう命じた。先月、事件の容疑者の訴追が見送られ、市民の怒りが噴出していた。

 レッドブル共同創始者の孫のウォラユット・ユーウィッタヤー(Vorayuth Yoovidhya)容疑者(38)は、2012年に首都バンコクの高級地区でフェラーリ(Ferrari)を運転中に警察官をひき逃げし、死亡させたとみられていた。

 事件は未決状態が何年も続き、ユーウィッタヤー家の巨額の財産の相続人の一人であるウォラユット容疑者は2017年にタイを離れていた。

 警察と検察は先月になって、新たな証拠が浮上したとして、危険運転致死の疑いを含め、同容疑者に対する全ての容疑が取り下げられたと発表。

 事件は、強い権力を持つ超富裕層が享受しているとされる刑事免責の一例とみなされ、市民の怒りはますます強まった。ツイッター(Twitter)では「#BoycottRedBull(レッドブルをボイコットせよの意)」などのハッシュタグがトレンド入りした。

 世論の圧力の強まりを受け、最高検察庁、警察そして首相府がそれぞれ、訴追が見送られた理由を調べる新たな捜査を開始した。

 

 問題の見直しを行った最高検察庁は4日、2012年の事件とウォラユット容疑者の違法薬物使用について新たな捜査を行うよう、警察に命令すると発表した。

 警察の報告書には、事件後容疑者の体内から、コカインの痕跡が検出されていたとの記録があった。

 

 警察は先週、議会の委員会で、容疑者の歯科医が治療の一環でコカインを投与したと証言したため、違法薬物関連の容疑は考慮しなかったと説明した。

 最高検察庁は、「警察の捜査官らに対し、コカイン使用容疑を調べるよう、最初に通告することに合意する」と明言。

 さらに「時効までに7年ある危険運転致死容疑についても、警察は新たな捜査を開始しなければならない」としている。

 同庁は、新たな証拠により、警察の最初の報告書にあるウォラユット容疑者の運転速度に矛盾があることが示されたとして、「本件はまだ終わっていない」と指摘している。

【翻訳編集】AFPBB News

■関連記事
レッドブル創始者孫のひき逃げ事件、訴追見送りで警察が内部捜査開始 タイ
性産業の抑制は難しい、タイ「罪の街」
タイの「建設王」、ヒョウを密猟した疑いで逮捕