タイ・バンコクで、ファンタジー小説「ハリー・ポッター」をテーマにした反政府デモに参加する人(2020年8月3日撮影)。(c)Lillian SUWANRUMPHA / AFP

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【AFP=時事】タイで3日、主に若者数十人が、ファンタジー小説「ハリー・ポッター(Harry Potter)」に登場するキャラクターの格好を模して反政府デモを行い、民主主義の「魔法を掛けよう」と訴えた。

 同国では若い世代を中心に、影響力の強いエリート層を批判する運動が拡大している。各地の大学や市庁舎では過去2週間以上ほぼ連日、軍寄りのプラユット・チャンオーチャー(Prayut Chan-O-Cha)政権に抗議するデモが行われている。

 非常に繊細な問題とされる不敬罪関連法に反対するプラカードを掲げる参加者も、最近ではみられるようになった。タイの同法は世界でも特に厳格なものとして知られる。

 同法が、君主制と巨額の資産を持つマハ・ワチラロンコン(Maha Vajiralongkorn)国王を批判から守っており、国王について公然と批判的な議論を交わすことは実質的に不可能だ。

 しかし若者たちは足並みをそろえてさらに踏み込み、王党派の軍事政権の負の遺産とみなされているプラユット首相に対する不満の声を上げ始めている。

 3日の日没後、主催者の1人が「ハリー・ポッター」のあらすじを読み上げると、民主主義の「魔法を掛ける」ために集まった抗議デモの参加者らは、熱心に聞き入った。

 グリフィンドール(Gryffindor)のしま模様のマフラーと黒いマントを身につけた著名法律家、アノン・ナムパー(Anon Numpa)氏は警官数十人が監視する中、登壇するとプラユット首相を激しく非難した。

 タイの厳格な不敬罪関連法では、1件につき最大禁錮15年を科すことができる。また、タイを拠点とするすべてのメディアはいかなる批判も報じることを禁止されている。

 専門家らは、ワチラロンコン国王と国王に近しい強硬な王党派軍人らによる統治下で、タイが絶対主義に逆戻りする危険があると指摘している。

【翻訳編集】AFPBB News

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