工芸専門の美術館「国立工芸館」金沢に開館 - 陶磁やガラスなど近現代日本の工芸作品を所蔵・展示

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東京国立近代美術館工芸館が、金沢に移転オープン。 通称「国立工芸館」として、2020年10月25日(日)より一般公開を開始する。

工芸専門の美術館が金沢へ

東京国立近代美術館工芸館は、1977年に東京・北の丸公園に開館した、工芸を専門とする日本唯一の国立美術館だ。そのコレクションは、陶磁、ガラス、漆工、木工・竹工、染織、金工、人形、デザインなど多岐にわたり、全国各地・近現代のあらゆる工芸分野の秀作約3,800点を所蔵する。

今回は、日本三大名園のひとつである兼六園を中心に、石川県立美術館、金沢21世紀美術館、鈴木大拙館などの文化施設が集まる「兼六園周辺文化の森」の中に、「国立工芸館」として移転オープン。コレクションのうち、約1,900点の作品も移転予定だ。

季節ごとに展覧会を開催

明治期に建てられた2つの旧陸軍の施設を移築・復元して活用した館内には、全3室の展示スペースを展開。 季節ごとに展示替えを行い、多彩なテーマを設けた展覧会を開催する。

特別展「国立工芸館 石川移転開館記念展I 工の芸術─素材・わざ・風土(仮称)」

移転オープンに合わせて、特別展「国立工芸館 石川移転開館記念展I 工の芸術─素材・わざ・風土(仮称)」を開催。国立工芸館の所蔵品から、「素材」「わざ」「風土」をキーワードにした展示を行う。日本の近代化が進むなかで各地方の工芸家がどのように「素材」「自然」と向き合ってきたか、 そして時代とともに「自然のイメージ」をどのように捉え直してきたかをたどることで、時代とともに変化する日本の「風土」を紹介する。

屋外には陶芸家・金子潤の大型作品も

また屋外には、国立工芸館が新たに収蔵した、国際的に活躍する陶芸家・金子潤の作品《Untitled (13-09-04)》を展示。3mを超える大型の作品が、エントランスの中庭で来館者を迎える。さらに、東京の工芸館の庭に設置されていた金工作家・橋本真之の作品《果樹園─果実の中の木もれ陽、木もれ陽の中の果実》も、金沢に移転する。

詳細

国立工芸館(正式名称:東京国立近代美術館工芸館)
一般公開開始日:2020年10月25日(日)
住所:石川県金沢市出羽町3-2
休館日:月曜日(休日の場合は翌平日)、年末年始、作品展示替えのための臨時休館
開館時間:9:30〜17:30 まで(入館は17:00まで)
※展覧会会期などは変更となる場合あり

■展覧会予定
・特別展「国立工芸館 石川移転開館記念展I 工の芸術─素材・わざ・風土(仮称)」
会期:2020年10月25日(日)〜2021年1月11日(月・祝)
観覧料:一般 500円、大学生 300円
・特別展「国立工芸館 石川移転開館記念展II うちにこんなのあったら展 気になるデザイン+工芸コレクション(仮称)」
会期:2021年1月30日(土)〜4月15日(木)
・特別展「国立工芸館 石川移転開館記念展III 近代工芸と茶の湯─四季のしつらい─(仮称)」
会期:2021年4月29日(木)〜7月4日(日)


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