現在、われわれは新型コロナウイルスと共存する中で、ビジネスを継続することが求められている。こうした中、RPAを活用することで、感染のリスクを抑えつつ、ビジネスの自動化や効率化を果たすことが可能になるという。

今回、オートメーション・エニウェア・ジャパン 営業統括部長 兼 セールスエンジニア本部 本部長の由井希佳氏に話を聞いた。

○デジタルワーカーなら在宅勤務の課題を解決できる

由井氏は「新型コロナウイルスの影響で、企業において在宅勤務が始まったことで、人がブリッジしている業務の分断化が生じた。これは、事業継続を脅かすリスクと言える。こうした中、働き方とオペレーションの再考が必要となっている」と、企業の現状を説明した。

働き方とオペレーションを再考する際は、「業務プロセスのデジタル化」「時間と場所に依存しない業務環境」「属人性の排除」を検討することになるが、これらを実現するのが、RPAによる「デジタルワーカー」だという。

「デジタルワーカーは、リソースを増やすことなく、新規ビジネスの立ち上げを実現する」と、由井氏は話す。

実際、同社が提供するPRA「Automation Anywhere」は新型コロナウイルスの感染防止の取り組みに活用されているという。例えば、 世界保健機関(WHO)の臨床症例を入力するフォームの処理の自動化に同製品が採用されており、その結果、90名の医療スタッフで1日10万件の入力処理が可能になったという。

また、日本企業では、危機管理の一環として、従業員の日々の仕事環境と健康管理状態を追跡するために同製品を導入したことで、1回の対応につき3時間かかっていたとろ、20分に短縮できたという。

危機管理と社員の健康管理をデジタルワーカーが支援

○クラウドベースのRPAなら遠隔操作も可能

由井氏は、新型コロナウイルスと共に生きるニューノーマルの世界において、企業では「クラウド活用」「紙やFAXのデジタル化」「業務オペレーションのエンド・ツー・エンドの自動化」「CoE(Center of Excellence:組織を横断する部署や研究拠点)と業務ユーザーのコミュニケーションの変化」が起きると予測する。

こうした状況を見据え、同社はWeb ベースのクラウド ネイティブなRPA「Automation Anywhere A2019 Cloud」を提供している。同社の検証によると、他社製品や同社のオンプレミス製品に比べると、「Automation Anywhere A2019 Cloud」はTCOを21%〜27%削減できるという。

また、クラウドベースであれば遠隔操作が可能なので、在宅勤務の場合も業務を進めることができる。これに対し、ユーザーのPCにRPAを導入するデスクトップタイプの場合、ユーザーによる確認が必要なプロセスになっていると、出社しないと業務が進まない。

こうしたこともあって、「デスクトップタイプのRPAからクラウドベースのRPAにリプレースする話が増えている」と、由井氏は語る。

「紙やFAXのデジタル化」に関しては、「IQ Bot」によって対応できる。「IQ Bot」は、コンピューター ビジョン、自然言語処理 (NLP)、ファジー論理、機械学習 (ML) などのAI技術とRPAによって、ビジネス文書の情報を自動的に分類・抽出・検証する。

紙、FAXの非構造データをAI-OCRによってデジタル化するIQ Bot

○RPA対象の業務の探索からボット生成まで自動化を実現

業務のエンド・ツー・エンドの自動化については、ボットの開発をノーコードまたはローコードで実現するプラットフォームの提供によって支援する。「Automation Anywhere A2019」では、ノーコードまたはローコードによるボットの開発を実現し、クラウドベースで社内システムをつないでいく。「Automation Anywhere A2019なら、ビジネスルールがあれば、RPAが可能」と由井氏は話す。

さらに、業務のエンド・ツー・エンドの自動化を実現するソリューションとして、「Automation Anywhere Discovery Bot」を提供する予定だ。同製品は、 AI 機械学習を用いて、複数の業務アプリケーションを使用しながら行うプロセス全体を記録し、繰り返し行われるプロセスのパターンを検出して分析する。

これにより、自動化によって最大の効果を得られるプロセスを特定し、ROIの高さで優先順位を付け、記録したプロセス全体を最適に自動化するボットを生成する。

企業がRPAの導入を検討する際、RPAを適用する業務の決定に最も苦労するのではないだろうか。業務ユーザーがRPAを適用したい業務とRPAの導入効果が高い業務は異なることが多い、なんて話もよく聞く。「Discovery Bot」を利用すれば、RPAを適用する業務の決定に費やす時間を削減することが可能だ。

「Automation Anywhere Discovery Bot」の作業フローの流れ

○社内の円滑なコミュニケーションでRPAをもっと活用する

「CoEと業務ユーザーのコミュニケーション」においては、「個人業務にとどまっていることの限界」「IT主導で業務プロセスを熟知することの限界」「ユーザー部門のボット開発のスキルの限界」といった課題があるという。

こうした課題を解決するため、Automation Anywhereは、学習とコラボレーションができるツール「Private Bot Store」のリリースを計画している。由井氏は、「Private Bot Store」を「自社用のマーケットプレイス」と説明する。Private Bot Storeは、CoEと業務ユーザーのコラボレーションを実現する。

例えば、新規でプロジェクトに参加するメンバーに「紹介ビデオ」「ゲーミフィケーション」「お知らせ」「チャット」といった機能を提供する。お知らせやチャットを使うことで、ボットの提案などにおいてコラボレーション効果を向上することも可能だ。

加えて、ボットを投稿する機能もあるので、ボットの再利用も進めることができる。一般のシステム開発においても、いかにコンポーネントを再利用できるかで、開発の効率が変わってくる。

こうした機能は、RPAを有効活用し、企業の変革にまでつなげていく上で必要となってくるだろう。