写真集の中で謝罪像は様々に紹介される

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約50枚の「安倍謝罪像」の写真を収めて価格は1万2000ウォン

 少女の前で安倍晋三首相がひざまずいて謝罪する姿の造形物「安倍謝罪像」(タイトルは「永遠の贖罪」)。韓国にも良心が存在し、この撤去要求集会が8月3日、ソウル・江原道平昌で開かれた。造形物を設立した金昌烈(キム・チャンリョル)韓国自生植物園長が依然として「撤去拒否」の立場を貫く一方で、「安倍謝罪像」の姿が写った写真集を制作、植物園の訪問客に記念品として販売する実態が明らかとなった。慰安婦像ビジネス魂のたくましさの象徴と言えるだろう。

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 日本でも馴染みのある『反日種族主義 日韓危機の根源』の執筆者の一人、李宇衍(イ・ウヨン)博士。3日、彼が音頭を取って植物園で集会を開き、安倍謝罪像の撤去を求めた。李宇衍博士は反日デモ「水曜集会」に対抗し、慰安婦像の撤去と水曜集会の中断を求めてきた先駆者である。

写真集の中で謝罪像は様々に紹介される

 声明書では、「歴史とは常に複合的な過程の産物であり、特定勢力が主観的な物差しでアプローチした場合、過度な歴史歪曲ととんでもない外交的惨事を招く」と指摘。

 また、「安倍謝罪像」の撤去を促した理由についてはこう触れる。「金園長は私立植物園に『私費で造成したのが何の問題か』と強調するが、植物園は山林庁と環境部から指定を受け、国民が入場料を払って観覧する公共施設の性格を持っている」とし、「したがって植物園で銅像を観覧させるのは『固有の自生植物』を収集、保全、展示、研究する目的と何ら関係なく、『反日感情』を媒介した植物園マーケティングの一環としか考えられない」と主張した。もっともな理屈だ。

イ・ウヨン博士

 李宇衍博士はデイリー新潮のインタビューで、

「金園長は安倍謝罪像の撤去を完全に拒否した。それどころか植物園では、安倍謝罪像の写真集を販売していた」と明らかにした。写真集の価格は1万2000ウォン(1ウォン=0.88円)で、約50枚の「安倍謝罪像」の写真が収められている。

盲目的な反日感情に反対する韓国人が増えている

 ちなみに、植物園入場料は5000ウォン。それだけでなく金園長は「安倍謝罪像」を背景にしたパンフレットを作り、これを使って営業難と赤字で9年間休館していた自生植物園の再開を知らせてもいた。

廬武鉉大統領を案内する園長(右端)

 李宇衍博士は「韓国では反日が国民的な情緒に影響し、マーケティングに活用される」としながら「尹美香(ユン・ミヒャン・正義記憶連帯元代表)が主導した水曜集会は代表的な慰安婦マーケティングだった」と振り返る。

「銅像を設置したりアイテムを作って販売したりするなど、ずいぶん金儲けをした」とも。慰安婦像で商業的利益を受けているのは、それを設置する勢力だけではなく、金園長もその一人だ。

 李宇衍博士らは金園長に直接会って「安部謝罪像の撤去」を要求したが、金園長はこれを拒否。そして、「造形物を撤去しろという要求は話にならず、片付ける計画もない」「個人的なことであり、政府・外部機関が関与することでもない。どうして不満に思うのか理解できない」と回答している。

謝罪像撤去を訴えるイ・ウヨン博士ら

 李宇衍博士らは、安倍謝罪像以外にも憂慮すべき事態について言及しており、それは次の通りである。

・韓国の私立大学の一つである嶺南(ヨンナム)大学が、独島自生植物園を造成し、慰安婦像、徴用工像に続く反日工作を画策

・最高裁の判決に従い、徴用労働者企業の韓国資産差し押さえが行われる場合、日本では関税引き上げなどの金融制裁と日本国内の韓国資産差し押さえといった強硬対応が予想され、日韓間の経済戦争が深刻化する

・文在寅政権の経済失政と外交失敗。そこから目を逸らすべく国民の反日感情を煽っている

・文政権下で進む日韓関係の悪化

 李宇衍博士らは集会で、「韓国自生植物園は『永遠の贖罪』像を直ちに撤去せよ」「慰安婦銅像と徴用工の銅像を直ちに撤去せよ」「尹美香を逮捕せよ」と主張している。

 李宇衍博士は自身のアンチ反日デモ行動に触れて、「一度も休まなかった。おかげで韓国のマスコミにも多く知られ、この集会を支持する人も多くなった。盲目的な反日感情に反対する韓国人が増えているという点を日本の読者にも覚えてほしい」と呼びかけたのだった。

日韓対立の原因を日本に責任転嫁する一方で、反日による広報効果を狙って金儲け

 一方、私費を投じて「安倍謝罪像」を植物園内に造成し、日本政府の遺憾の意の表明にもかかわらず撤去拒否の意思を固守する金園長は、学生運動出身で左翼活動家だ

 金園長は1970年代に大学に通った運動家で、朴正熙政権において、緊急措置9号違反容疑で逮捕・起訴され、結果、3年間懲役に服した。その後、江原道で1999年6月、国内第1号の私立植物園「韓国自生植物園」をオープン。この植物園に盧武鉉大統領が来たのは2008年7月21日。金園長は盧大統領を直接案内し、大統領は杜松の木を植樹している。

 また、件の像に「永遠の贖罪」と名前をつけたのは、「太白山脈」など反日小説で知られる作家チョ・ジョンレ氏だ。

 金園長は最近、中央日報の電話インタビューで、「植物園に作られた小さな銅像一つをめぐり、その意図を政治的に嗅ぎ取ろうとする勢力があり、非常に遺憾だ」「社会・政治的に問題にならないことを願う」と明らかにしている。

 かねて反日感情を政治的に利用してきた左翼勢力。彼らと共に活動を続ける金園長は、果たして純粋な意図で「安倍謝罪像」を造成したのだろうか。まさかそんなことはあるまい。

「銅像を見て日本政府が過敏に反応するにせよ、彼らが犯した過ちに比べれば何でもない」とうそぶく金園長は、日韓対立の原因を日本に責任転嫁する一方で、反日による広報効果を狙って金儲けをしていることになる。

張恵惠 記者(チャン・ヒョン)

週刊新潮WEB取材班編集

2020年8月4日 掲載