AIが6億手読んで、ようやく見つかるような手を指す藤井聡太棋聖(18)にも、手こずるジャンルがある。ファッションだ。タイトルを獲得したヒューリック杯棋聖戦五番勝負の第2局から、タイトル戦では和服姿で登場。若々しさとともに、凛としたものも感じさせるその姿は、対局ごとに注目を浴びた。当の本人は、和服についてどう思っているのか。コーディネイトについて聞いてみると「自分はさっぱりわからないです」と、微笑んで返した。

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 藤井棋聖が、初めて和服で公式戦を戦ったのは昨年の将棋日本シリーズ JTプロ公式戦。それから1年が経ち、少し大人びた雰囲気もまとうようになってか、和服姿もさらに様になってきた。今持っているのは4着。「夏物が3着、秋冬物が1着ですね。夏物と冬物、1着ずつ師匠(杉本昌隆八段)からいただいて、残り2着は作りました」。7月18日に行われたJT杯、菅井竜也八段(28)との対局では、紺色の羽織、袴に、グレーの着物。「羽織は師匠からいただいたもので、袴と着物はタイトル挑戦が決まってから作ったものですね」と説明した。

 ただ、この組み合わせ、本人が決めたものではない。「おまかせなんです。いつも用意してもらってありがたいです」。コーディネイトを考えるのは白瀧呉服店。藤井棋聖本人は対局場に到着し、ケースを開いた時に初めてその日の「勝負服」を知る。ファンからすれば「今日はこんな組み合わせで気合を入れてきたのか」と思いたいところでもあるが、当の本人は不得意分野をプロに任せ、将棋に集中しているようだ。

 藤井棋聖が次に和服姿で登場するのは、8月4・5日に行われる王位戦七番勝負の第3局。その時は、どんな組み合わせで登場するか。本人もファンも当日までのお楽しみだ。