新型コロナウイルスの感染拡大でこれまでの地方切り捨て、公共領域縮小政策の弊害が明らかになるなか、「コロナ禍での政策と運動の最前線」を学び、交流する第62回自治体学校が1日から始まりました。当初は広島県で開催の予定でしたが、感染対策のためインターネットの会議サービス「Zoom」での開催となりました。

 当初予定されていた宮本憲一・滋賀大学元学長の記念講演と、岡田知弘・京都橘大学教授の緊急報告は、事前収録しDVDで参加者に配布されました。

 宮本氏は、市町村合併や公務員・専門職員の削減によって自治体は感染症や災害に対応する力を弱められてきたとして、「新自由主義で公共政策が減退した一番ひどい結果が日本ではないか」と指摘。地球温暖化で21世紀が感染症を含め「災害の世紀」になると予想されるなか、改めて基礎自治体の強化が必要だと語りました。

 岡田氏は、6月に出された第32次地方制度調査会の答申が、総務省の「自治体戦略2040構想」の先取りになっている問題を報告。周辺自治体の機能を中心都市に集約する「圏域」単位での行政が進められる恐れに警鐘を鳴らしました。

 初日の「公共施設の統廃合・民間委託の現状と対抗軸」の分科会で中山徹・奈良女子大学教授は、人口減や財政難を口実とした公共施設の統廃合の動きを批判。統廃合して施設を建て直すより、改修して長寿命化した方が、住民への負の影響も少なく、費用も大きく抑えられることを紹介しました。

 中山氏は、「コンパクトシティ」などの名で自治体の中心部に公共施設を集約する動きを強めれば、周辺部の住民は他自治体も含めて転居していくため、想定以上の人口減少を招くと指摘。日本は欧州と比べ身近な公共施設が少ないため、人口減少率30%程度ならコンパクト化は必要ないと語りました。今後2日と8、9両日にも分科会・講座が「Zoom」で開かれます。