新型コロナウイルス感染の急拡大が止まりません。全国の1日の新規感染者は1000人を突破し、入院者数も増え続けており医療体制のひっ迫に関係者は危機感を募らせます。ところが安倍晋三政権にはまともな対策がありません。急を要するPCR検査の抜本拡充策を示そうとせず、感染を広めかねない「Go To トラベル」も見直しすらしません。あまりにも無策です。日本共産党など野党5党派は、政府・与党に臨時国会を早期に召集することを要求しました。国民が重大な苦難に直面している時、国会が手をこまねいている場合ではありません。

「震源地」の徹底検査を

 感染抑止の上で、国会審議が急がれる重要なテーマはPCRなど検査体制の大規模な拡充です。日本共産党の志位和夫委員長は7月28日、(1)感染震源地(エピセンター)とされる地域を明確にし、住民・在勤者全体を対象にした大規模・網羅的なPCR検査(2)陽性率など地域ごとの感染実態が分かる情報開示(3)医療、介護、福祉、保育、教育など集団感染リスクの高い施設職員らへの定期的な検査の実施(4)陽性者を隔離・保護・治療する体制を緊急につくること―を首相に緊急に申し入れました。

 一番の要は、感染者が集まり感染が持続的に集積されるエピセンターを明らかにし、検査能力を集中的に投じ、面として大規模検査を行うことです。感染力のある無症状者を見つけ隔離・保護することが感染抑止のカギであり、それにはPCR検査が力を発揮します。東京都新宿区だけでなく陽性率が高い地域が全国で相次ぐ中、PCR検査を思い切って広げることは、極めて切迫した課題です。

 東京都医師会の尾治夫会長は7月30日の記者会見で、エピセンターでの徹底した対策を求めるとともに、PCR検査を都内の医療機関1400カ所(人口1万人に1カ所)を目標に拡大する方針を表明しました。東京都世田谷区は検査数を大きく増やす体制づくりを進めています。他の自治体でも検査を柔軟に行い、感染者を広く把握する対策を始めています。

 動きが見えないのは安倍政権です。「戦略的にできるだけ検査を拡充したい」(西村康稔経済再生担当相)などと言いますが、具体的手だてを示さないのは大問題です。

 根本から姿勢を改め、医師会や自治体など現場の努力を後押しする支援をすべきです。日本のPCR検査数が人口比では国際的に異常な低水準にある実態から抜け出すためにも本気の行動が必要です。検査の遅れの打開に向けた、国会での徹底審議が求められます。

現場の切実な声に応えよ

 コロナ対策では、医療機関への支援や保健所体制の強化、感染抑止に実効性を持たせるための徹底した補償と一体の自粛要請など、国会で審議する課題は山ほどあります。「Go To」事業や「アベノマスク」などの検証・見直し・中止をめぐる議論も重要です。豪雨被害への対応も大テーマです。

 国民の苦しみに心を寄せ、現場の切実な声に応える対策を講じるため国会開催は待ったなしです。

 野党の国会召集要求は、衆参いずれかの総議員の4分の1以上が要求すれば、内閣は召集を決定しなければならないという憲法53条に基づくものです。応じないことは憲法上も許されません。