額面だけにとらわれず、上乗せされるポイントや残高の使い道なども考慮しましょう。(SankeiBiz)

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 申し込みがスタート 実施は9月から

 7月よりマイナポイントの「申し込み」が開始されました。マイナポイントは、(1)消費の活性化、(2)マイナンバーカードの普及促進、(3)官民キャッシュレス決済基盤の構築…を目的とした国の事業で、9月から実施されます。具体的にはキャッシュレスで2万円のチャージまたは買い物をすると、1人あたり5000円分のマイナポイントがもらえる事業ですが、マイナポイントを受け取るためには、マイナンバーカードを申請し、所定の登録をする必要があります。

「そもそもマイナポイントって何?」

「どこの決済業者がお得なの?」

「早く申請したほうがいいの?」

 今回は、それらの疑問にお答えすべく、マイナポイント事業の概要と決済業者やサービスの選び方などをご紹介します。

 そもそもマイナポイントとは?

 マイナポイントとは、マイナンバーカードでマイナポイントを「予約」した人を対象に、選択したキャッシュレス決済サービスでチャージや買い物をすると、買い物に使えるポイントを国が付与する仕組みのことです。つまり、マイナポイントとは仕組みを意味し、実際に付与されるマイナポイントは、自分が選択したキャッシュレス決済サービスのポイントということになります。

 もらえるマイナポイントは、2万円のチャージまたは買い物に対して、1人あたり最大5000円分となっています。4人家族の場合は、合計で2万円分のポイントが受け取れるということです。

 注目を集めるのが「上乗せキャンペーン」

 2020年9月以降に2万円分のチャージか買い物をすると、最大5000円分のポイントがもらえるのがマイナポイントの基本的な内容です。ここにきて、ポイントを自社のポイントやペイ残高を独自に上乗せするキャンペーンを実施するキャッシュレス決済業者やサービスも登場しています。

 見落としがちな「条件」 決済業者選びが肝となる

 マイナポイントは、申し込み後に決済サービスの取消や変更ができないようになっているため、最初にどこの決済サービスを選ぶかがマイナポイントを有効活用するカギとなります。ポイントの上乗せはたしかに魅力的ではあります。しかし、上乗せ額に囚われて普段あまり使わない決済サービスを選んでしまうと、マイナポイントをもらうために余計な買い物をするハメにもなり兼ねません。あるいは、せっかくもらったポイントを、失効させてしまう可能性も否めません。なお、受け取ったマイナポイントの有効期限もサービスごとに異なっています。

 上乗せキャンペーンは、付与の条件がサービスごと異なっている点にも注意が必要です。

 ▼期間や用途が限定されたポイントが付与される

 たとえばd払いは、マイナポイントに「d払い」または「dカード」を登録すると、500dポイント(500円相当)が付与されます。しかし、本キャンペーンで付与されるdポイントは「通常ポイント」ではなく「期間・用途限定ポイント」で、NTTドコモの携帯電話料金など一部のサービスでの支払いには利用できません。

 ▼付与の対象がチャージ金額や決済金額ではない

 au PAYは、マイナポイントに「au PAY」または「au PAYカード」のどちらかを登録したうえで、期間内にチャージすることを上乗せの条件としていますが、上乗せされる残高は「マイナポイント還元額に対して20%」です。キャンペーンで上乗せされるau PAY残高は最大1000円相当。2万円チャージすれば、マイナポイント事業の上限額である5000円相当がau Pay残高でまず還元され、さらに上乗せ分の上限であるau Pay残高1000円相当が付与されます。ただ仮に1万円をチャージした場合はマイナポイント分は2500円相当、還元はその20%なので上乗せ分は500円相当にとどまります。

 ▼新しいサービスで加盟店などが少ない

 ゆうちょPayはまず、アプリを新規でダウンロードし口座登録した人全員に500ポイントが付与されます。そのうえで、マイナポイントにゆうちょPayを登録するとさらに1500ポイントが付与されます。合計で最大2000ポイントが上乗せされるので額面ではかなりお得でしょう。現時点で、肝心の郵便局では4000局でしか使えないようですが、2020年8月末までに8500局に拡大される予定です。とはいえゆうちょPay自体が新しいサービスなので、加盟店がまだ少なく使い道が限られそうです。

 ▼利用対象期間が短い

 メルペイは3つの上乗せキャンペーンを実施していますが、うち2つは利用対象期間が8月31日までと短くなっています。

 決済業者やサービスは、上乗せキャンペーンに釣られないようにサービス内容をよく確認した上で、慎重に選ぶことが大切です。

 マイナポイントは早く申請したほうがいい!?

 マイナポイントは実は誰もが利用できるわけではありません。利用できる人は、マイナンバーカードを取得し、かつ、「予約」をした4000万人で、日本の人口の約3分の1です。上限に達すると途中で締め切られる可能性もあるとされています。

 と言われると、のんきに構えていたら「申し込みできない」なんてことも想定しますが、いまのところまだ余裕があると言えそうです。というのも、総務省によると2020年7月6日時点の全国におけるマイナンバーカードの発行枚数は約2240万2897枚。一方、7月7日時点で「予約」済み件数は186万1358件とのこと。マイナンバーカードの発行済み数だけ見ても、4000万には程遠いことがわかるからです。

 しかも、マイナポイントへの参加を表明している事業者は110社以上ですが、7月24日現在、申し込み手続きができるのは60社程度。今後、より魅力的な上乗せキャンペーンを発表する事業者が出てくる可能性もあります。申し込み後に変更ができないので、現時点で決済業者を決めてしまうのは性急かもしれません。

 マイナポイントのもらい方と注意点

 大前提として、マイナポイントは、マイナンバーカードを取得した人がもらえるポイントであることを理解しておきましょう。したがってマイナンバーカードを持っていない人は、カードの申請から始める必要があります。ここではマイナンバーカードを既に持っていることを前提とした、マイナポイントのもらい方をご説明します。

 図の通り、マイナポイントをもらうには、専用サイトで予約をした上で、キャッシュレス決済サービスを登録する必要があります。申し込み時に必要なのが、マイナンバーカードと、マイナンバーカードを取得する際に設定した4桁の暗証番号です。

 スマホアプリかPCでマイナポイントの専用サイトにアクセスし、マイナンバーカードを読み取り予約をする流れになるのですが、注意点が2つあります。1つは、PCサイトで予約をする場合には「ICカードリーダライタ」が必要なことです。マイナンバーカードに適したICカードリーダライタは「公的個人認証サービスポータルサイト」で確認できます。対応しているものを用意しましょう。

 2つ目は、スマホアプリで予約をする際には、カードの読み取りができる機種に限定されていることです。iPhoneの場合は、iPhone7以降が対応機種となります。対応機種は総務省のWebサイト「マイナポイント」で確認が可能です。

 スマホやPCでの予約が難しい場合は、全国のコンビニや郵便局にも設置されている端末「マイナポイント手続スポット」で手続きしましょう。

 予約で「マイキーID」の設定を終えたら、次に行うのが、実際に利用するキャッシュレス決済サービス選びです。予約と同様、スマホかPCでマイナポイントの専用サイトにアクセスし、自分の好きなキャッシュレス決済サービスを選択して登録します。

 以上で、マイナポイントを受け取るための準備が完了します。

 マイナンバーカードは今後もっと便利になる?

 とはいえ、マイナポイントを利用したくても、マイナンバーカードを持っていない人はマイナンバーカードを申請するところから始めなければなりません。マイナンバーカードは交付までに1カ月くらいかかることがある上に、マイナポイントの申し込み手続きもそれなりに手間暇かかります。

 その2つの手間をかけてまでキャッシュレス還元を受けるべきだろうか? と考える人もいるでしょう。しかしマイナンバーカードを保有するメリットは今後、増えるかもしれません。

 私自身は既にマイナンバーカードを取得していますが、取得して一番良かったと思えたのが、住民票などをコンビニで取れるようになったことです。さらに、2021年3月からはマイナンバーカードが健康保険証として利用できるようになります。転職・引越しをしても保険証の切り替えを待たずに受診できたり、領収書がなくても医療費控除ができるようになったり(2021年秋頃予定)と、今以上に便利に使える可能性も出てきました。

 遅かれ早かれマイナンバーカードを取得するのであれば、マイナポイントをきっかけにしてはいかがでしょうか。「マイナポイントが受け取れないまま終わってしまった」なんてことがないよう、早めの準備をお勧めします。

■小沢美奈子(おざわ・みなこ) ファイナンシャルプランナー AFP認定者。K&Bプランニング代表。大学卒業後、損害保険会社にて社員教育、研修講師などを経験。約12年間勤務後、外資系損害保険会社で営業に従事。ファイナンシャルプランナーとして活動開始後はWebや書籍などで記事執筆、セミナー講師、家計相談、写真撮影などを行う。シニアや生活困窮者のライフプランにも力を入れる。フォトライターとしても活動。趣味はカメラ。

【新時代のマネー戦略】は、FPなどのお金プロが、変化の激しい時代の家計防衛術や資産形成を提案するSankeiBizの連載コラムです。