精神科医フランクルがアウシュビッツに送られ、壮絶な日々の中でも希望を捨てず「生きる力」となったものとは

私たちが人生につまずいたとき、どのように希望を持てばよいのか。日々の生活に疲れたとき、生きる意味をどう見つければよいのか。そうした人生の悩みに、真摯に答えた「名著」がいまも感動を呼び続けています。


それは、ヴィクトール・フランクルの『夜と霧』です。アメリカでは「私の人生に最も影響を与えた本」のベスト10にも入りました。

ナチス強制収容所での著者みずからの体験をつづったこの本は、実はナチス・ドイツの犯罪を糾弾する目的だけで書かれたものではありません。著者のヴィクトール・フランクルは、現代の私たちに優しく語りかけてくれます。収容所のような過酷な環境であっても、「人生に意味は必ずある」と。私たちに「生きる力」を与えてくれる──それこそが、『夜と霧』を世界的ベストセラーにした最大の要因です。

未曾有の大災害となった、2011年の東日本大震災。その衝撃も冷めやらぬころ、被災地の書店で『夜と霧』が静かなベストセラーになった現象がありました。あれほどつらく悲しい経験をした人々が、なぜこの本にひかれたのか。社会が浮足立ついまこそ、古典的名著をマンガで解説した新刊『マンガでわかる世界の名著』(NHK「100分de名著」制作班 監修)から『夜と霧』の勇気のメッセージを味わってみませんか。

強制収容所へ送られ、ついに…




アウシュビッツの壮絶な日々




フランクルの「生きる力」の根源




『夜と霧』に込められたメッセージ