口だけでは抑えられない(C)日刊ゲンダイ

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 24日、都内で新たに260人の新型コロナウイルス感染者が確認され、4日連続の200人超となった。これまで小池都知事は、「夜の街」を強調し、若者が中心で重症者が少ないことを理由に「以前とは違う」と繰り返してきた。ところが、ここにきて、感染は幅広い年代に広がり、重症者数も急増している。医療パニックが近づいている。

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 23日、過去最多の366人の感染が確認された東京都。夜の街関連は47人、家庭や職場など夜の街以外が94人。感染経路不明は225人だった。20〜30代が232人と6割超を占めるが、40〜50代も2割(74人)に上る。

 都内の感染拡大は、もはや「夜の街」「若者」の問題ではなくなっている。

 すでに重症者は急増している。今月12日は5人だったが、23日には21人とわずか10日間で4倍に増えている。医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏が言う。

「国や都は、感染者が増えても『重症者は少ない』との認識ですが、タイムラグに過ぎません。通常、感染者数が増えて、およそ1カ月ほど遅れて、重症者数に反映されていきますからね。今の感染拡大のペースからすると、今後、重症者ひいては死亡者はどんどん増えていく可能性があります」

■確保病床わずか100

 都は重症者用の病床を100確保しているが、あっと言う間に満床になる恐れがある。さらに300床の確保を計画しているが、「ベッドが確保できても、スタッフまで揃えられるのか。例えば、コロナの患者は、通常の患者の1・5倍の看護師が必要です」(医療関係者)という。マンパワーが必要なのだ。コロナの通常病床も2700床の目標に対し、2400床どまりとなっている。小池知事は医療提供体制も「以前とは違う」と強調していたが、こんなに“脆弱”なのだ。

■陽性率 危険水域7%に迫る

 検査人数に対する陽性者数の割合を示す陽性率も危険水域だ。一般的に、陽性率が低ければ、十分な検査が行われ、早期発見、早期治療ができているとされる。実際、中国、韓国、台湾、豪州などでは2%以下で死亡者の減少傾向がみられた。逆に、7%を超えた欧米では、死者が急増したケースもあった。都の直近1週間平均の陽性率は、5月末ごろは1%前後だったが、21日現在で6・7%と7%に迫っている。

「陽性率の上昇は、検査件数が少なく、実態を把握できていない表れです。感染を抑え込んだ中国、韓国、シンガポールなどは無症状のスプレッダーを発見するため、数十万規模のPCR検査を実施しました。それをせずに、日本だけが抑えられるわけがありません」(上昌広氏)

 一時、1日800人近くの死者を出していたニューヨーク州は、1日7万件の検査体制を整備。誰でも無料で回数制限なく検査を受けられるようにし、早期の発見、隔離、治療を徹底した。その結果、ニューヨーク市では今月になって死亡者ゼロを記録している。感染者数人の日も出てきた。

 医療現場がパニックに陥るのは時間の問題かもしれない。