世界ではBLM(Black Lives Matter)などの動きがあり、日本でも政治に有名人がTwitterで意見を述べる動きが記憶に新しい。一方で、何かのイベントに合わせて企業が出したメッセージは、それまでのイメージを左右しかねない。公的立場を伝える時、何に注意すればいいのかーーOpen Forumの記事「Should I Take a Public Stance―and How Do I Do It?」がBLMにおける企業の動きとメッセージを公に出すときの注意点を題材にしている。

Should I Take a Public Stance?and How Do I Do It?

BLMは、米ミネソタ州で黒人男性George Floyd氏が警察に不適切に拘束されて死亡したことから大きな運動となった。そして、欧米企業を中心に多くがホームページやソーシャルメディアなどで自社のスタンスを明らかにした。BLMのような世界的な動きに対して、メッセージを発するべきか?発しない方がいいのか? エージェンシーTote + Pearsの共同創業者でブランディング戦略を担当するAmber Anderson氏は、BLMではすぐにメッセージを出した企業と戸惑った企業とに分かれたと語る。

「公的立場を出すことで自分たちのブランドに影響があると恐れるのは理解できる」とAnderson氏、一方で「企業が自分たちのメッセージを本当に信じており、思いやりを持っているのなら、恐れることはない」とアドバイスする。では、何か発信する時に留意すべきポイントはあるのだろうか?Anderson氏は次のステップを紹介している。

1.自社のバリューを考える(Remember your values.)

ブランドのバリューをきちんと定義しているのなら、その事件や事象がブランドのアイデンティティから見るとどう言う意味なのか、どんな意見になるのかは簡単にわかるだろう。例えば、BLMのイベントを自社のバリューから照らし合わせるとどのような意見になるか?次に、その意見を公式見解として発表するのか、社員向けに発するべきか、寄付に参加するか、ソーシャルメディアキャンペーンを展開するか、あるいは沈黙するか。ブランドのバリューを考えた時に正しいメッセージと伝え方はどれかを考える。

2.下書きの前に調べよ(Research before drafting a statement.)

見出しから得た最初の直感でメッセージを発しないように。インターネットで発言すると、その後撤回は難しい。まずは、状況や事件などの背景まで調べておきたい。そこで、自社顧客やパートナーとの関わりが見えてくれば、発するべきメッセージの方向性に役立つだろう。

3.誰に向けてメッセージを出しているのか(Think about your audience.)

メッセージを出すという意思そのものは正しくても、言葉は受け取る相手により変わってくる。ソーシャルメディアなら、どのような層が自分たちをフォローしているのかある程度わかるはずだ。ソーシャルでメッセージを出すのなら、その人たちがどのように受け止めるのかを想像しよう。

4.ブランドを評価する(Evaluate your brand.)

メッセージはブランドに沿ったものである必要がある。自社の立場は何かをシンプルに書き出す。多様性の重要性をアピールするのであれば、それを体現していることで補完するように。

5.メッセージを作成する(Craft and distribute your message.)

いざメッセージを作成。時間をかけて問題とブランドに沿った自社の立場を明確に表す。数値など客観的な材料を加えた方がメッセージが現実的に響き、その問題に注意を払っていることを示せる。

いざ、メッセージを発信する場合には、Amber Anderson氏が述べるように単に意見を言うだけでなく、自社のアクションについて伝えることがポイントになる。Appleはmaster(主人)/slave(奴隷)などテクニカルシーンで慣習的に使われてきた用語の置き換えを表明している。APIやSDK、ソースコード内での使用も非推奨となるため決して影響の小さいものでは無いはずだが、同社は自社の強いメッセージをこのアクションで伝えている。