U-16日本代表候補合宿がスタート。森山佳郎監督が選手たちに語りかける

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 U-16日本代表候補が22日、千葉市・高円宮記念JFA夢フィールドで5日間の合宿をスタートした。04年生まれ以降の選手たちで構成されるU-16日本代表(04ジャパン)は、今年11月25日に開幕するAFC U-16選手権バーレーン2020選手権へ出場。上位4チームに入り、FIFA U-17ワールドカップペルー2021への出場権を獲得すること、そしてアジア王者に輝くことが目標となっている。

 そのU-16日本代表にとっては、今年1月のトルコ遠征以来となる代表活動。森山佳郎監督は練習前のミーティングで新型コロナウイルス感染症や「令和2年7月豪雨」による被害がある中で、色々な人々の尽力によってこの合宿が開催されていることを説明したという。選手たちは感謝の気持ちを持ち、自分たちがサッカーで多くの人々に元気をもたらすことを確認してピッチへ。そして、1時間半弱のトレーニングでパス&コントロールやGKを含めた9対9などを行った。

 選手たちはコロナ禍による活動自粛期間を経て、先月頃から各所属チームでサッカーに取り組む時間を増やしているが、まだまだ実戦経験が不足している。森山監督はこの日のトレーニングで高い強度を求めることは難しいと想定していたようだが、「(コーチ陣が言わなくても)勝手にインテンシティ(競り合いでの強度)の高いゲームになっていたので、楽しみになったというか、ホッとしたというか、そういう印象です」と喜んでいた。

 5日間の合宿でチームが求めて行くのは、そのインテンシティと2つのクオリティの向上。特に、クオリティの部分は日本が世界で勝つためにレベルアップさせなければならない部分だ。森山監督は、テクニカルスタッフにこれまでのデータを確認。昨年、日本のAFC U-16選手権予選でのパスの成功率は70%ほどなのだという。だが、世界で上位に入るチームは80%台で90%近い。また、PAへ侵入する回数の増加も「(日本にとって)前回からの大きな命題」(森山監督)だ。

 指揮官は「(前回のU-17)ワールドカップでも(日本の)ラストサードに入るまでは上位だったけれど、ペナルティに入ってシュート打つ本数は真ん中よりも下の方に行ってしまったということで、(1本1本のパスなど)プレーの質のクオリティ、ペナルティへ侵入していく部分のクオリティは今回のテーマにしています」と語った。トレーニングでは細かな身体の向きや「世界で一番速い切り替え」をすることを要求。アジア、世界で勝つためのクオリティを得るために、高い意識を持って準備を進めていく。

 11月までの準備期間は少ない。この2004年生まれ以降で構成された代表チームは森山監督が指揮を執った過去2大会と比べて、「(海外遠征の数など)極端に国際経験が少ない」(森山監督)という課題もある。また、所属チームで先発の座を掴むのはこれからという高校1年生中心の世代。ゲーム体力の改善も目指していかなければならない。コロナ禍で制限も多い中での準備となることは間違いないが、04年ジャパン全選手とスタッフが一つになって難局を乗り越えていく。

 チームの雰囲気は良い。昨年のAFC U-16選手権予選メンバーのMF大迫塁(神村学園高)は初日のトレーニングについて、「久しぶりだったんですけれども、みんな声を出してとても良い雰囲気でやれたと思うので、自分もその中で臆することなく声を出していけたかなと思います」と振り返る。代表経験者が初招集組を引っ張る形でトレーニング。一つ一つのトレーニングの重要性を理解し、より良いものにしようとする姿が見える。

 そして、FW南野遥海(G大阪ユース)は「僕らはアジアチャンピオンとしてワールドカップに出場して、そこで活躍することを目指している。(AFC U-16選手権までの)期間は短くなったんですけれども集中力、意識も高めて臨まないといけないと思います」。まずは“久々の”活動で目標達成へ向けて少しでも前進する。

(取材・文 吉田太郎)