京都府舞鶴市とKDDIは7月22日、農業の安定化と効率化を目指し、IoTを活用した万願寺甘とうのスマート農業事業を舞鶴市で開始したと明らかにした。今年度は、万願寺甘とうにおける「日照量」「温度」などの栽培状況をIoTセンサで見える化し、来年度には収集した情報と万願寺甘とうの生育状況との相関を分析して、高収量生産者の好事例を生産者間で共有することを目指す。

左から万願寺甘とう、ビニールハウスに設置したセンサ

舞鶴市発祥の万願寺甘とうは、夏の京野菜として「京のブランド産品」に認定されており、首都圏をはじめとした大都市圏などへ販路拡大のための安定生産・安定供給の実現が雇用の創出につながると期待されいる一方で、万願寺甘とうは細かくブランド選果基準が設定されているため、大きくて真っ直ぐなものだけがブランド品として認められることから、栽培が難しく、生産者によって収量にばらつきが生じている状況だという。

そこで、同事業ではIoTセンサを活用して日照量、温度などの栽培情報を収集・クラウド上へ蓄積し、高収量生産者の栽培データをモニタリングして、解析・共有することで栽培知見を確立し、同市全体の万願寺甘とうの安定生産を目指す。

具体的にはIoTセンサをハウス内に設置し、万願寺甘とうの生育に関係すると考えられる温度、湿度、日照、土壌EC(電気伝導度)、土壌温度、土壌水分量、土壌pH(酸性度)を10分ごとに収集し、クラウド上へリアルタイムに蓄積。

データはグラフ化され、パソコンやスマートフォンのアプリケーションから確認でき、自分のハウスや他の生産者のハウス状況把握や、あらかじめ設定した値を超えた時にはアラート通知を行うことを可能としている。散水量は、流量計センサを用いて計測したデータをオフラインで蓄積し、定期的にパソコンやスマートフォンなどに転送することで、IoTセンサで把握した情報に加えて確認ができるという。

設置したセンサの構成図

また、蓄積したデータと万願寺甘とうの生育状況との相関を分析し、高収量生産者の好事例を共有していくことで、よりよい万願寺甘とうの栽培知見の確立と収量増加を目指す。

取得したデータのグラフ

両者は、2018年12月に地域活性化を目的とした連携協定を締結し、取り組みの一環として農業の安定化における課題とICTを活用した解決策について協議してきた。今後も、IoT/ICTなどの先端技術を活用したスマート農業事業を積極的に推進し、地域産業の発展を目指す。