善意で振る舞われる炊き出しだが…

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 豪雨や地震、洪水…。さまざまな自然災害に襲われる日本列島。しかし、新型コロナウイルスの感染が拡大するいま、避難所ではしっかりとした感染症対策が必要となる。しかし、もしも何らかの感染症の症状が出たならば、どうすればいいのだろうか?

◆症状が出たときの対処法

 感染症の症状も病原菌の種類によりさまざま。もし何かしらの症状が出たら、まずはかかりつけの医師や保健師、避難所代表に電話やメールで相談する。

 新型コロナウイルスのパンデミックにいち早く警鐘を鳴らし、特効薬研究にも従事する理学博士の鈴木和男さんはこう話す。

「嘔吐・下痢などの症状があれば、汚物やおむつの処理は、自治体で用意している“感染廃棄物専用の蓋つきの容器”に入れて、所定の場所に捨てることが重要です。また、発熱している、咳がひどい、黄色い痰が多い、息苦しい、呼吸が荒い、ぐったりしているという症状のときは肺炎の可能性が高い。新型コロナウイルスの感染も疑って検温した後、かかりつけ医に電話・メールで相談するか、避難所であれば役場の保健機関に相談し速やかに隔離処置を行ってください」

 子供の場合はアレルギーを持病に持つ子も多いので、感染症との区別がつきづらい場合も多い。「特に災害時の炊き出しはアレルギーに気を配る必要がある」と、長年、被災地で炊き出しを行ってきた一般社団法人OPEN JAPAN理事の木村とーるさんは、言う。

「被災地では感染症やアレルギーを考慮して料理をすることが重要です。特に共同の炊き出しは要注意。子供のアレルギーを考えて、使用している食材の種類をボードに表記することも大切です。もし症状が出たら自己判断せずに医師に相談してください」

【教えてくれたのは…】
◆理学博士・鈴木和男さん/1977年東京都立大学大学院理学研究科博士課程修了。1981年に好中球機能と川崎病の病因の研究を始め、国立予防衛生研究所・国立感染症研究所で研究を続け退官後、千葉大学大学院医学研究院教授に。2012年帝京大学教授、2013年から帝京大アジア国際感染症制御研究所所長。感染制御薬開発論文と特許3件、200編以上の国際誌論文。著書に『生体防御医学事典』ほか。

◆一般社団法人OPEN JAPAN理事・木村とーるさん/Wilderness Village四万十塾代表。阪神・淡路大震災でボランティア団体神戸元気村の立ち上げに従事。以後、一般社団法人OPEN JAPANの支援活動プロジェクトを全国で展開。環境学習塾・四万十塾ではカヌートレッキングガイドを務め、川旅を通して環境問題・永続可能なライフスタイルを提案。災害支援にも生かしている。著書に『四万十塾の焚き火料理塾』。

※女性セブン2020年7月30日・8月6日号