新型コロナに感染して治った後も、発熱、倦怠感、動悸、のどの違和感、胸や背中の痛み、手足のしびれなどの「後遺症」と言える症状に苦しんでいる人たちがいる。

21歳の男子大学生は持病もなく健康だったが、コロナに感染して日常生活が一変した。2度のPCRで陰性が確認され、5月9日(2020年)に退院してからずっと、37.5度前後の体温、頭痛、倦怠感、嗅覚障害、血管痛、胸の圧迫感などに苦しめられている。大学も休学し、実家で療養する日々だ。大学生は「1か月くらい前は、ベッドから起き上がれませんでした。それがつらくて、つらくて。社会復帰も難しいのかなと心配です」と話す。

検査では何度も陰性なのにベッドから起き上がれない

30代の男性会社も5月4日に退院したが、仕事復帰した今もコロナ陽性時の時と同じ症状に悩まされている。「ただPCR検査で陰性が2回出たから退院したというだけで、頭痛や微熱、耳鳴りなどの症状は一切治っていないままです」と話す。7月には過呼吸症状と激しい動悸に襲われ、38度の発熱があり、「2回目の感染をしたのかなと思うくらい」というが、PCR検査の結果は陰性だった。

後遺症の患者を診察する陣内耳鼻咽喉科クリニックの陣内賢理事長は「免疫細胞が暴走し正常な細胞まで攻撃してしまう、サイトカインストームが関係しているのではないか」という仮設を立てる。「ウイルスを攻撃するための免疫細胞が、ウイルスがいなくなった後も働きっぱなしの状態になって、一部自分の細胞を傷つけるなどして炎症が残り、不快な症状が出てしまう」というのだ。

無症状の人でも「後遺症」だけ出る場合も

陣内理事長によると、「後遺症」はコロナが軽症だったか重症だったかかに関わらず出る可能性があると言い、無症状で自覚のなかった人の中にも後遺症だけ現れることもある。

ロバート・キャンベル(東京大学名誉教授)「これは今、我々が1番知らなければならない話題です。100年くらい前のスペイン風邪では、500万人がその後10年間で意識障害や嗜眠性障害という眠くなる病気を患い、世界中で大きな問題になりました。後遺症は年齢にかかわらず等しくさらされます。自分が治ったと思っても定期的に脳神経などの検査を続けることが、特に今イギリスで提唱されています」