アマゾン ウェブ サービス(Amazon Web Services)ジャパンは7月20日、今年4月から7月に発表した新サービスに関する説明会を開催した。4月1日から7月18日までに発表されたサービスの数は614に上るという。

説明は、技術統括本部 レディネス&テックソリューション本部 本部長/プリンシパルソリューションアーキテクトの瀧澤与一氏が行った。

アマゾン ウェブ サービスジャパン 技術統括本部 レディネス&テックソリューション本部 本部長/プリンシパルソリューションアーキテクトの瀧澤与一氏

614のサービスのうち、瀧澤氏は主要なアップデートとして、「Amazon Honeycode」「AWS Snowcone」「AWS Graviton2 プロセッサ」「Amazon Interactive Video ServiceおよびAWS Elemental Link」「 AWSとSlackの連携」を挙げた。

Amazon Honeycode(BETA)

Amazon Honeycodeは、プログラミングを行うことなく、Webアプリやモバイルアプリを開発できるフルマネージドサービスだ。Microsoft Excelのようなスプレッドシートモデルを採用しているため、簡単に使える点が特徴だ。ユーザーがスプレッドシートや数式に慣れていれば、シート、テーブル、値、数式に関する知識をそのまま生かすことができるという。

具体的には、 ワークブック内に定義したテーブルからアプリケーションを作成し、 ワークブックやアプリケーションはチーム内の任意のメンバーに共有することが可能。 Honeycode APIを使えば、アプリケーションを操作 することができる。

「Amazon Honeycode」の操作画面。アプリの項目やプルダウンの選択肢を表形式で作成する

ボタンなどのオブジェクトはドラッグアンドドロップ で配置し、アクションを指定していく

Amazon Snowcone

Amazon Snowconeは、エッジコンピューティング向けのデバイスで、データ転送デバイス「AWS Snow ファミリー」で最小のデバイスとなる。重さは 約2kgで、8TBのストレージが搭載されている。

他のSnowファミリーデバイスとは異なり、SnowconeにはE Ink返送ラベルが搭載されている。これには2個のCPU、4GBのメモリ、USB-C電源またはオプションのバッテリが含まれ、EC2インスタンスを起動し、AWS IoT Greengrassを用いるために必要な処理能力を備えているという。

オフラインでデータを転送する場合はデータが保存されたデバイスをAWS に送付、オンラインでデータを転送する場合はAWS DataSyncを利用する。用途としては、メッセンジャーバッグ、ドローンと連結させた形での利用、工場、病院などが想定されている。

「Amazon Snowcone」の利用例

AWS Graviton2 プロセッサ

AWS Graviton2 プロセッサは、同社が64ビットのArm Neoverseコアを用いてカスタム構成した第2世代のプロセッサ。ワークロードに合わせて、インスタンスを選択できる。一般用途向け(M6g) 、コンピューティング最適化 (C6g) 、メモリ最適化 (R6g) の各EC2インスタンスは、x86ベースのインスタンスと比べて最大でコストパフォーマンスが40%向上しているという。

対象となるワークロードは、アプリケーションサーバ、マイクロサービス、ビデオエンコーディング、高性能コンピューティング、電子自動設計、圧縮処理、ゲーミング、オープンソース・データベース、メモリ内キャッシュ、CPU ベースの機械学習推論など多岐にわたる。

第1世代のAWS Gravitonプロセッサに比べ、パフォーマンスが7倍、コンピューティングコアが4倍、メモリの速度が5倍、キャッシュが2倍改善されている。

Amazon Interactive Video ServiceおよびAWS Elemental Link

Amazon Interactive Video Service(IVS)はライブビデオトリーミングサービスで、低レイテンシのライブビデオを提供するように設計されている。レイテンシーは3秒未満としている。瀧澤氏によると、ライブビデオを流しながらアンケートをとるといった使い方にも適しているという。

一方、AWS Elemental Linkは、メラや動画制作機器などのライブ動画ソースを AWS Elemental MediaLive に接続するデバイスだ。動画のソースに接続すると、3G-SDIまたはHDMI コネクタに到達したすべての動画・オーディオ・メタデータストリームを AWS Elemental MediaLiveに送信し、利用可能な帯域幅に適応するチューニングを自動で行う。

「AWS Elemental Link 」

瀧澤氏は、両者の違いについて、「Amazon IVSはインフラの管理、ワークフローのコンポーネントの開発が不要で、手軽にビデオ配信できる点に重きが置かれている。AWS Elemental Media Servicesは、詳細なビデオ要件を必要とするユーザー向けのソリューションとなっている」と語った。

AWSとSlackの連携

6月5日、AWSはSlackと数年間にわたる戦略的イニシアチブで連携することを発表した。これにより、Slackは推奨クラウドプラットフォームとしてAWSを選定し、AWSはSlackを全社導入した。

両者は以下のように、、企業向け統合ツールを提供していく。

Amazon ChimeとSlack Callsの連携

AWSのWeb会議サービス「Amazon Chime」のSDKにより、Slackの通話機能「Slack Calls」の音声・動画・画面共有といった既存機能を強化する。

AWS Key Management ServiceとSlack Enterprise Key Management(EKM)の連携

Slackの暗号鍵管理機能「Slack EKM 」は、暗号鍵の配布と管理に対応したAWS Key Management Serviceなど、AWSの実績あるセキュリティサービスを活用する。

AWS ChatbotとSlackの連携

AWS Chatbotは今後、175以上のAWSサービスと連携が可能となる。これにより、開発者はSlackから離れることなくチームとのコラボ レーションを行い、クラウドベースのあらゆるサービスを管理できるようになる。

Amazon AppFlowとSlackの連携

Amazon S3や Amazon Redshift などのAWSサー ビスとSlackの間で、安全にデータを転送可能になる。