原辰徳監督

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「原監督」タニマチの「東京ドーム野球賭博」(2/2)

 前回(「巨人『原監督』の危ない交友録 キャンプ地でタニマチと賭けゴルフ、覚醒剤逮捕者も」)、巨人・原監督とタニマチである西原良三氏(59)の間で行われた賭けゴルフについて報じた。しかし、西原氏は数年前、東京ドーム内にあるVIPルームで「野球賭博」に興じていたという疑惑もあるのだ。

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【写真】年間3千万円以上する「スイート倶楽部」にて

 さて、掲載の写真が撮られたのは数年前、ウイークデーの夜だった。写真右側で札束を数えている男性は、巨人・原監督のタニマチとして知られる西原良三氏。不動産会社「青山メインランド」の社長を務める人物だ。経緯を知る不動産関係者が言うには、

「この日、ドームでは読売新聞の主催で侍ジャパンのWBC公式戦が行われていました。西原さんはそれまでもしばしば、友人をドームの試合に招待するなどしていて、この時も十数人を呼び集めていました」

原辰徳監督

 とのことで、

「仕事仲間に混じって爛殴好鉢瓩涼罎砲肋訶塚イ気鵑籠映代の人気男性タレント、そしてモデルのような女の子も何人かいて、華やかな雰囲気でしたね」

 ちなみに、掲載の写真は東京ドームでは別格のVIPルーム「スイート倶楽部」で撮影された。巨人のHPで紹介されている年間シートの最上級クラスは1席220万円の「ダイヤモンドボックス」だが、ドームの関係者によれば、

「スイート倶楽部は一般には売られていません。基本的には企業との年間契約で、全部で28室。現在は満室ですが、小さい8名タイプが約3千万円、最も広い16名タイプだと、およそ4600万円です」

 西原社長が契約しているのか、あるいは読売巨人グループの偉い“お友達”から招かれたのか。いずれにせよご一行はこの日、固唾を呑んで試合の帰趨を見守っていたわけでは決してなかった。それどころか、

「試合を見ながらみんなでシャンパンを飲み、軽食をつまんでいると、いつの間にか西原さんが音頭を取って“賭け”が始まったのです。それは、目の前で行われているゲームで、次にピッチャーが投げる球がストライクかボールか、1球ごとに当てるというもの。丁半ばくちのようで、ファールならストライク扱い。全員が参加していたわけではありませんが、相当な金額が動いていたと思います」(前出・不動産関係者)

 実際に写真で西原社長が手にしているのは1万円札の束だから、1球ごとに1万円ずつ張っていたのだろう。

「こうした“賭け”は、別のWBCの試合の日にも行われていました。その時はまず、西原さんが男性陣から1万円ずつ出させ、どちらのチームが勝つかを賭けさせていた。さらに試合が中盤に差し掛かると、部屋の扉を開けてベランダ席に出て、1球ごとの賭けに興じていましたね」(同)

 その掛け金は、当たった人がいなければ次の球へと繰り越されていったといい、

「西原さんは勝つまでやるタイプ。負けが込んでくると『次の球は2万円にしよう』なんて言って釣り上げる。結局は、金を持っている人が勝つわけです」(同)

 が、ことは“素人の遊興”で済まされる話ではない。そもそも賭けゴルフとは趣を異にする、野球を賭けの対象とした紛れもない「野球賭博」で、VIP席での観戦中というから余計に始末が悪い。実は、西原社長は原監督との個人的関係にとどまらず、球団との関係も浅くない。先のドーム関係者が言うには、

「毎年、主催試合の来場者に無料で配布している『ジャイアンツガイド』という冊子があります。前半戦と後半戦で2冊作られ、選手名鑑などが載っているのですが、昨年の冊子の裏表紙には、青山メインランドの広告が一面に載っています」

 同社のHPでも昨年4月、この広告について得意気に紹介しており、さらには、

「毎年シーズンオフに催されてきたチャリティーゴルフコンペ『吉村会』は、吉村禎章コーチの名を冠していますが、実際に取り仕切っているのは青山メインランド。西原さんは『AKB48』創設メンバーの一人で仲の良い窪田康志さんとともに、原監督と同じ組で回ります。また、『アービング』(西原社長が実質的オーナーである芸能事務所)に現在、元巨人の斎藤雅樹投手と捕手だった村田真一さんが所属している。これだけでも、巨人とのつながりの深さはうかがい知れます」(西原社長を知る関係者)

 青山メインランドのインスタグラムでは昨年6月、この両氏とともに高橋由伸前監督を招き、子どもの野球教室を催した際の写真がアップされている。社長自身もまた、原監督とは深い信頼関係があるようで、

「住宅ローン事業で青山メインランドと取引している信販会社が以前、西原さんが反社と繋がりがあるとの情報を得て、取引を停止しようとしたことがありました。ビジネスモデルが崩壊すると慌てた西原さんは原さんに相談した。原さんは信販会社の大株主だった企業の関係者に知り合いがいたので掛け合い、結果、青山メインランドとの取引は無事継続されることになったのです」(西原社長を知る事情通)

 というのだ。

NPBも及び腰で

 遡れば5年前、巨人選手による野球賭博、「笠原事件」が発覚し、球界は大揺れとなった。その際、日本野球機構(NPB)から再発防止策が示され、各球団に「野球賭博厳禁の活動」「賭博常習者の選手等への接触に関する球団間の情報交換」などの提案がなされたのだった。

 これまで述べた西原社長らによるVIPルームでの「野球賭博」には、選手をはじめ球団関係者は関わっていない。とはいえ、一連の事件で4選手が刑事処分を受けた巨人のお膝元たる東京ドーム内で、堂々となされてきたわけである。

 真剣勝負の国際試合を札束で汚した西原社長は、代理人の弁護士を通じて、

「取材には一切お答えしません」

 さらに、そうした“お友達”を持つ指揮官を抱える巨人軍は、

「青山メインランドや西原氏が東京ドームのスイート倶楽部の年間契約をしていた事実もありません。当球団が西原氏や青山メインランドと深い関係があるといった貴誌の指摘は根拠のない誤りです」(広報部)

 あまつさえ、野球賭博の根絶を目指してきたはずのNPBに至っては、

「WBCに関してはこちらではなく、MLB(メジャーリーグベースボール)の話になるので回答できません」

 聖なる野球場が鉄火場にされたにもかかわらず、まるで及び腰なのだ。スポーツライターの玉木正之氏が言う。

「このNPBの言い分は、筋が通っているようでいて、その実、野球というスポーツに対しての感性が全く感じられません。“自分たちの所管する野球ではダメだけど、別の国の野球ならいい”というのは、少なくとも野球を運営している団体の態度ではありません」

 その上で、こう指摘するのだ。

「原監督の賭けゴルフにしても、今回のドームでの賭け事にしても、それが歴とした犯罪になりかねないという感覚が当人たちにはないのでしょう。監督という公の立場にいるのだから、自分のしていることを理解すべきだし、こうした問題は球団もフタをせず、きちんと考えていかなければなりません」

 先ごろ、監督としての通算勝利数が巨人歴代2位となるなどペナントレースは好調ながら、「若大将」と呼ばれた頃には程遠く、ベンチで指揮官らしからぬはしゃぎぶりの原監督。周囲に諫めたり、叱る者がおらず、「裸の大将」と化しているのかもしれない。

「週刊新潮」2020年7月16日号 掲載