累計330万部という人気コミック「きょうの猫村さん」(ほしよりこ作、マガジンハウス刊)の実写ドラマ化。この4月(2020年)からスタートで、半年間かけて全24話を放送予定だ。1話完結で、1回の放送時間は約2分半という超短編である。猫の家政婦・猫村ねこ役を松重豊が演じるというので、放送前から話題になっていた。

この日の第14話は、猫村さんが奉公先の犬神家の長女・尾仁子(池田エライザ)に、ココアを持って行く。しかし、部屋に尾仁子はおらず、遊びに来ていた尾仁子のヤンキー仲間・強(染谷将太)がいた。猫村さんは前々から聞きたかったヤンキーたちの「集会」について、強にあれやこれや尋ね、そのうち二人は意気投合して盛り上がる...と、ここまでで2分半がたち、この日は終了。毎回思うが、あまりにも短い。

脇役たちがこれまた主役級、演技派、個性派で、音楽は坂本龍一

たった2分半なのだけど、このドラマには浮世の憂さをすぅーっと忘れさせてくれる穏やかな時間が流れ、癒し効果たっぷりである。なんといっても、出演陣が魅力的だ。若い世代に人気の池田エライザ、染谷将太、小雪(犬神家の奥様)、松尾スズキ(犬神家の主人)、濱田岳(猫村ねこの飼い主のぼっちゃん)、石田ひかり(家政婦紹介所の代表)、市川実日子(家政婦仲間)、安藤サクラ(ご近所のライバルの奥さん)など、主役級、演技派、個性派の俳優陣が目白押しで、「きょうは誰が出るのだろう?」と、始まる前から楽しみになっている自分がいる。音楽担当が坂本龍一というのもすごい。

「孤独のグルメ」「バイプレーヤーズ」「きのう何食べた?」に続く深夜のヒット

そもそも猫村さん役を松重が演じるというのも、考えてみればじつに巧妙なキャスティングだ。コミック版の主な読者層は20〜40代の女性。この世代の中には猝し系おじさんにほっこりする層瓩箸いΔ里、確実に、そして結構な厚みでいる。テレ東系の、それこそ松重主演の「孤独のグルメ」をはじめ、「バイプレーヤーズ」「きのう何食べた?」などの深夜ドラマがヒットしたのは、そういった層に支えられていたからに他ならない(ちなみに私もその一人だ)。

そう考えると、原作読者層と癒し系おじさんにほっこりする層がちょうど重なり合った部分に狙いを定めて、「猫村さん=松重豊」としたのは納得、というかパーフェクトすぎる作戦で拍手を送りたい気分になる。(放送7月8日深夜0時25分)

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