厳選!2歳馬情報局(2020年版)
第8回:オーソクレース

◆「荒れる」函館記念で狙える穴馬とは?>>

 現役時代にGI2勝を挙げた名牝マリアライト。同馬が繁殖牝馬になって初めて産んだ子が、今年デビューを迎える2歳馬の中にいる。

 マリアライトと同様、美浦トレセンの久保田貴士厩舎に所属するオーソクレース(牡2歳/父エピファネイア)である。


オーソクレースの母、マリアライト。2016年の宝塚記念では強豪牡馬に競り勝った

 母マリアライトは、明け3歳となる2014年1月にデビュー。その新馬戦を勝って好発進を決めたが、以降は善戦続きで、4歳春まで条件クラスの身にあった。

 しかし、その4歳春に条件戦を2連勝して、ついにオープン入り。すかさず重賞のGIIIマーメイドS(阪神・芝2000m)に挑戦し、2着と好走した。

 一気に才能が開花したマリアライトは、秋には牡馬相手のGIIオールカマー(中山・芝2200m)に参戦。そこでも5着と健闘すると、続くGIエリザベス女王杯(京都・芝2200m)で戴冠を遂げた。

 6番人気のマリアライトは道中、中団を追走。4コーナーを迎えると、外から仕掛けていって直線半ばで先頭に立った。最後は、前年のオークス馬ヌーヴォレコルトらが追いすがってきたが、クビ差しのいで初の重賞制覇をGIで決めた。

 一躍トップホースとなったマリアライトは、そのままGI有馬記念(中山・芝2500m)にも出走。一線級の牡馬相手に4着という好結果を残した。

 年が明けてからも、牡馬混合の重賞レースで奮闘を続けたマリアライト。上半期のグランプリ、GI宝塚記念(阪神・芝2200m)にも挑むと、鮮やかな走りを見せて2度目のGI制覇を果たした。

 同レースには、前年の二冠馬ドゥラメンテをはじめ、前年の菊花賞馬で、GI天皇賞・春を制したばかりのキタサンブラック、さらに前年の覇者ラブリーデイなど、豪華メンバーが集っていた。それゆえ、マリアライトは8番人気の低評価だったが、3コーナー過ぎから大外を徐々に進出。4コーナー手前からロングスパートをかけていった。

 直線、逃げるキタサンブラックに、馬群を抜け出してきたラブリーデイ、大外から強襲するドゥラメンテらと、マリアライトは熾烈な争いを展開。そしてゴール前、キタサンブラックをとらえ、ドゥラメンテの猛追を振り切って、見事に大金星を挙げた。

 その偉大なる母の初子となるオーソクレース。現在は放牧中で、まだ強い調教はしていないようだが、厩舎スタッフの評価は高いそうだ。関東競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。

「オーソクレースは春に一度入厩し、ゲート試験に合格しています。その時の感触をスタッフに尋ねると、『走り出すとすばらしい』と絶賛していました。動きや乗り味に、かなりの手応えを感じているようです。5月時点で、馬体重は500kgほどあったとのことですが、『太い印象もなく、いい馬体』とも話していました」

 ただ、気性面については、少し課題があるようだ。先述のトラックマンが続ける。

「同じく5月の入厩時の話ですが、他の馬がバタついたり、近くにハトが来たりすると、『スイッチが入って、うるさくなっていた』とのこと。普段から周りをキョロキョロと見ていて、幼い面があるみたいです。

 それでも、『夏までの間に、その点が解消されていれば』とスタッフ。秘めた力をきちんと出せれば、『(レースでも)いい走りができる』と見ています」

 デビュー戦の予定は決まっていないが、夏の札幌開催が有力だという。 マリアライトの血を引くオーソクレース。ポテンシャルの高さは間違いない。母と同じく、大舞台で躍動できるのか。まずはデビュー戦でどんな走りを見せてくれるのか、楽しみにしたい。