京アニ放火事件から1年…「盗用」主張の青葉容疑者に厳しい声

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京都アニメーションで放火殺人事件が発生してから、7月18日で1年を迎えた。京都市伏見区の第1スタジオが全焼し、社員36人が死亡。33人が重軽傷を負った大惨事は、世界中を震撼させた。

各メディアによると同日に事件現場で追悼式が行われ、八田英明社長や遺族らが参加したという。また京アニはYouTubeで、追悼のための映像を配信。事件発生時刻の午前10時35分に、黙とうが捧げられた。国内外からは、亡くなった方々への冥福を祈るメッセージが寄せられている。

「人を大切にし、人づくりが作品作り」を企業理念に掲げている京アニ。京都新聞によると、八田社長は今後について「建物を新しく建てるのが再建ではない。一番大きいのは心。作品を作り続けることを大事にしたい」と語ったという。

いっぽう犯行に及んだ青葉真司容疑者(42)も、事件当日に全身に重度のやけどを負った。一時は重篤な状態が続いたが、皮膚の移植手術など高度な医療技術で回復。

容体が安定し「勾留に耐えられる」との判断を受け、5月27日に逮捕・送検された。現在は事件当時の刑事責任能力や精神状態を調べるため、精神鑑定が行われている。

身柄を確保された当時、「京アニに盗作された」と動機を供述していた青葉容疑者。日経新聞によると、京都府警は青葉容疑者が「いっぽう的に恨みを募らせて犯行に及んだ」との見解を示しているという。

逮捕後、京アニ作品『ツルネ―風舞高校弓道部―』が「場面の一部が自分の小説と似ている」と主張していると判明。同作は18年10月から19年1月までNHKで放映されていた。これについて京アニ側は、「同一、類似の点はない」と盗用を否定しているという。

「青葉容疑者は『ツルネ』の放映期間中にネット掲示板で、京アニに対して『パクってやがる』など書き込んでいたといいます。過去に“学園もの”で小説を応募しましたが、形式面の不備で落選。応募作品の内容が確認される前に、除外されていたそうです」(全国紙記者)

青葉容疑者に対して、厳しい声が広がっている。

《妄想のある人が必ずしも犯罪を犯すわけではないし、例え盗作を確信していたとしても犯行が許容される理由にはならない》

《1万歩譲って仮に盗用があったとしても、あんな事件を起こして良い理由にはならない》

《青葉真司氏には、ちゃんと罪と向き合い、罰を受けて償ってほしい。法で裁かれて、事件の真相を全てつまびらかにしてほしい》

治療を担当した医師は17日、NHKの取材に応じ「事件が迷宮入りしないため救命に尽力した」と語った。青葉容疑者には事件と向き合い、自らの言葉で説明してもらうことを望んでいる。