【荻原博子】「保険料」の支払い負担を激減させる、メチャトクな「4つの裏ワザ」 最低限の支払いで必要な保障を

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保険料の負担を減らす4つのワザ

新型コロナの影響で、保険を取り巻く環境も大きく変わっています。

ネット生命保険会社「ライフネット」によれば、同社の4月における新規保険契約件数は、前年同月比198%増と過去最高なのだそうです。新型コロナで死亡した場合には、通常の死亡保険金にさらに「災害割増特約」も加算されるため2倍の保険金がもらえます。

それに加え、通常の入院給付金は、入院(一部通院も可)しないと給付されませんが、新型コロナにかかった場合には、診断書があれば自宅待機でも入院給付金が支給されることを同社がいち早くアナウンスしました。それで、少しでも安心を得ようという人が増えたということでしょう。

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いっぽうでは収入が激減し、今まで加入していた生命保険を解約しなくてはならない人も出てきているようです。生命保険の全世帯での平均支払保険料は、年38万5000円(平成27年度 生命保険に関する全国実態調査)。

イベント業や飲食店など、収入が激減している方にとっては、かなりの負担になることは間違いありません。しかし、コロナの感染リスクは誰にでもあるのですから、保険がなくなってしまうのは不安でしょう。

そこで今回はなんとか生命保険料の負担を減らしながら、なおかつ必要な保障を確保していく方法について紹介したいと思います。

結論から言えば、その方法は、主に以下の4つがあります。

1. 今ある保険の保障を減らす
2. 「払い済み保険」、「延長保険」にする
3. 安い保険に入り直す
4. 生命保険の「6ヶ月猶予」使う

この機会に保障内容も見直しを

1から4を具体的に見る前に、あらかじめ知っておくべきことがあります。それは、自分の家にどれくらいの保障が必要かということです。

大黒柱のご主人が亡くなって奥さんと小さな2人の子供が残されても、日本ではすぐに飢えるということはありません。子供たちが18歳になるまで、遺族年金が支給されるからです。亡くなったご主人がサラリーマンなら毎月15万円前後。自営業者なら、毎月10万円前後です。

さらに、ご主人が住宅ローンを組んで家を買っていたら、ほとんどの方は銀行が加入させている団体信用生命保険によって相殺され、その後のローン支払いの必要はありません。

ただ、奥さんの細腕では、稼ぎきれないお金があります。それは、子供の教育費。日本では、子供を高校、大学に行かせようと思ったら、1人1000万円(日本政策金融公庫調べ)かかります。子供に高等教育を受けさせたいと思ったら、社会人になるまで子供1人につき1000万円の死亡保障を確保しておくべきでしょう。

医療保障については日本では高額医療費制度があるため、1ヶ月入院しても自己負担は9万円程度。ある程度の蓄えがあれば乗り切れるでしょう。このため子供がいる場合、子供が社会人になるまで1人1000万円程度の保険があれば充分というわけです。

1. 今ある保険の、保障を減らす

保険料を減らすには、保障を減らすことです。

例えば、奥さんと幼い子供2人が残されるケースでは、最低限必要な死亡保障は2000万円。そこまでは、保障を削れるということです。


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たとえば、終身保険部分が1000万円、上乗せされている定期保険部分が3000万円の、合計4000万円の死亡保障が付いている「定期付き終身保険」ならば、2000万円分の保障をカットするということです。

この場合、注意しなくてはいけないのが、いつ加入したか。生命保険の貯蓄部分は、加入した時に約束した運用利回りで最後まで運用されます。「定期付き終身保険」では、終身部分(払込の期間満了がある場合)が貯金として運用され、定期保険部分は掛け捨てになっています。

保険の運用利回りは、図のようにバブルの頃に保険に加入した人は5.5%という超お宝保険になっています。ですから、1999年3月までに加入している人は、終身保険部分を残して定期保険部分を2000万円分削る。それ以降の運用利回りが低い時期の加入なら、定期保険部分だけでなく、保険料が高い終身保険部分も削ってもらい、合計で2000万円にしてもらうといいでしょう。


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「保険ゼミ」ウェブサイトより引用(※現状では、0.3%前後のところが多い)

子供が社会人になってしまっていたら、貯金になっている終身保険部分だけを残し、終身部分の運用利回りが良くなければ、保険そのものを解約してもいいでしょう。

2. 「払い済み保険」「延長保険」にする

新型コロナの影響で、保険料が払えないという人はどうするか。「定期付き終身保険」のような貯蓄部分がある保険に入っている場合には、貯蓄部分を保険料として使って「払い済み保険」や「延長保険」として、保険に入り続けることができます。それなら保険料は一銭もかかりません。

「払い済み保険」というのは、解約したら戻ってくる解約返戻金で、保障額は減額されますが、今までと同じ期間の保険に入るというもの。図のように、保障と同時に満期に戻ってくるお金も下がりますが、一定期間の保障を得ることができます。


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生命保険文化センターのサイトより

一方の「延長保険」は、同じく解約したら戻ってくる解約返戻金で、今までと同じ保障を得る代わりに、保障期間が短くなります。


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生命保険文化センターのサイトより

ただし、この2つの保険にすると、一般的にはリビングニーズ特約(余命が6ヵ月以内と診断された場合に、生前に保障を受け取れる保険)は継続しますが、前についていた他の各種特約は消滅するので、それは注意してください。

3. 安い保険に、入り直す

生命保険は複雑そうに見えても、保障されるのは2つ、「死亡保障」と「入院保障」です。そして、このどちらも日本国民の死亡率や入院日数を元に計算されている掛け捨ての保障で、どの保険会社でも、保障に支払うお金はほぼ同額です。

それなのに、同じ保障内容でも保険会社によって保険料が違うのは、保障に上乗せされる経費が違うから。経費が高い会社の保険料は高いし、経費が安い会社の保険料は安くなります。

保険の経費の多くは人件費や施設費(土地・建物など)ですから、そうしたものが必要ないインターネットの保険会社だと、同じ保障でも保険料は安くなります。

インターネットの保険はアフターフォローがないのでは、と不安に思う人もいるかもしれませんが、そもそも生命保険は、アフターフォローの必要ない商品です。死亡保障金の請求は、自分で死亡診断書を取り寄せてしなくてはなりません。

入院についても、自分で入院や手術の診断書を取り寄せて申請しなくてはなりません。保険会社が、すべてやってくれるわけではないのです。だとすれば、今加入している保険より安い保険会社があれば、そちらに乗り換えるに越したことはないのです。

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その時に注意しなくてはいけないのは、まず移る先の保険を契約してから、今の保険をやめること。病気があると、次の保険には入れない可能性があるからです。もし前の保険を辞めたにもかかわらず、目星をつけていた保険に入れないとなると大変です。

ちなみに、45歳以下なら、月々500円台の保険料で、1泊2日以上の入院で10万円の給付金が受け取れるという手軽な保険もネットでは出てきています。

4. 生命保険の「猶予制度」を使う

加入中の保険は自分に最適で辞めたくはないと思っているけれど、新型コロナの影響で保険料を払うのがつらいという人は、生命保険の「猶予制度」を検討してはどうでしょうか。

あまり知られていませんが、生命保険は、保険料が払えなくても、すぐに保障が失効してしまうということはありません。図のように、月払いの場合だと「払込期月の翌月の1日から末日」までは、支払いを待ってくれる「猶予期間」があります。

たとえば、4月10日に保険の契約をしていたら、通常は翌月5月10日に保険料を支払わなくてはなりませんが、「払込期月の翌月の1日から末日」までは猶予が効くので、6月末までに保険料を支払えば保険は失効することはありません。

つまり、この「猶予期間」を使えば、1ヶ月から2ヶ月近くまでは保険料を支払わなくても保険に加入していることになります。


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しかもこの猶予期間が、新型コロナの影響で保険料を払えなくなった人には、保険会社が定める日から最長6ヶ月間「猶予期間」が延長されています。

もちろん、その間は保険に加入しているわけですから、あらかじめ契約した保険の保障は受けられます。

ただし、猶予期間中に給付を受けた場合には、支払われる保険金や給付金の中から、猶予されている保険料は差し引かれることになっていますから、半年くらいでは、とても新型コロナの損失が取り戻せそうにないという人は、1〜3の方法で保険料を減らしたほうがいいかもしれません。

恐らくコロナとの戦いは短期で終わらないでしょう。今は幸い収入が減っていないという人も、これを機に入っている保険が本当に適当なものなのか検討してみるのもいいのではないでしょうか。