アップル、年内のオフィス完全再開は無理との見通し(Bloomberg報道)
Tom Pennington via Getty Images

アップルが新型コロナの影響で一部の直営店を再閉鎖することを余儀なくされている事態を受けて、米国内では年内にオフィス勤務を完全に再開することは無理だと従業員に伝達したと報じられています。

米Bloomberg報道によれば、同社は先週末の従業員向けビデオメッセージで、小売店の従業員にリモートでの作業を推奨したとのこと。そして従業員の自宅に新型コロナ検査キットを送付しており、米国での完全なオフィス復帰は年末まではあり得ないとメモでスタッフに伝えたとされています。

アップルの米国内の店舗は271のうち90店舗余りが再閉鎖に追い込まれており、英国とオーストラリアでも一部店舗を再び閉鎖しています。いまだにワクチン開発の目処が確かには立っていないなかで、やむを得ない決断といえそうです。

とはいえ、アジア太平洋地域やヨーロッパの「多くの」オフィスについては「現地の状況に基づいて、今後数か月間に完全な復帰ができると予想している」と述べているとのこと。対応は全世界一律ではなく、地域ごとに変えているようです。

また閉鎖している直営店でも、お客を放っておくわけにはいきません。そのため同社のディアドラ・オブライエン上級副社長(小売と人事担当)はビデオのなかで、従業員がリモートで顧客対応できる「Retail at Home」を用意し、これにサインアップしてマネージャーに相談するよう勧めているとのことです。

オブライエン氏は、新型コロナ感染拡大中にオンラインで製品を購入したりサポートを受けようとする顧客は増加しており、それに伴い一部の消費者は「かなりの待ち時間」を経験させられていると強調。この困難な時期にお客を助けるため彼らの望みに応えたいことや、「ご存知のように人々は特に今こそデバイスに依存している」と語っています。

このメッセージは、リモートワーク全盛の今こそがアップル製品の売上が伸びるチャンスであり、信頼を勝ちえる時期だと示唆しているとも解釈できるでしょう。ちょうど台湾DigiTimesが2020年第2四半期にはMacBookシリーズが320万〜350万台も出荷され、第3四半期には20%以上増加して約400万台に達する見通しだと報じたばかりのタイミングです。

オンラインでMacやiPadなどは問題なく販売できるとはいえ、故障対応などのサポートは「店頭に持ち込んで、ユーザーとスタッフが対面」のほうがリモートより円滑であり、一部店舗を閉鎖せざるを得ないアップルとしては痛しかゆしでしょう。顔認証のFace IDを採用したiPhoneもマスク対応に苦慮していますが、新型コロナ禍が長期化すればいずれディスプレイ埋込みTouch ID搭載の新製品が登場するのかもしれません。

Source:Bloomberg

Via:9to5Mac