店内に入ると目立つ「給水機」の表示。

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 全国でレジ袋の無料配布が終了した7月1日、無印良品が「水道水を無料で配り始めた」という情報が飛び込んできた。
 果たして一体どういうことなのか、そしてわざわざ店で貰う価値のある「水道水」なのか――その謎を探るべく店舗へと向かってみた。

◆「水道水」の真相は「美味しい浄化水」――マイボトルさえあれば誰でも無料!

 無印良品の店舗に着くと目に入ったのが、これまでは無かった「給水機」の掲示。掲示は鮮やかな青色で、無印良品といえば大抵の掲示物が「白・黒・茶」で構成されているため、店のなかでとくに目立つ存在だ。
 表示に従って進むと店のレジ近くに登場したのは「水道の蛇口」…ではなく細くて白い機械だった。

 この機械――つまり給水機の設置が無印良品による「水道水配布」の正体。給水機は細い棚に収まっておりスタイリッシュな印象を受ける。給水機のメーカーは空調機器や空気清浄器で知られるコーウェイ社のようだ。

 水は「水道水」がそのまま出てくる訳ではなく「常温水/冷水」が選択可能。水量は「300ミリリットル/180ミリリットル/120ミリリットル」から選ぶことができる。ボタンを指で押せば好きな量だけ注ぐことも可能。筆者は水筒を持参していたのでマイボトルに冷水を注いでみた。注ぎ口の高さは約20センチメートルで、容量500ミリリットルくらいまでの水筒ならば対応できると思われる。
 給水機の表示は日本語とピクトグラム(絵文字)。操作はコンビニのコーヒーマシンなどよりもはるかに簡単で、子供やお年寄りでも難なく使いこなせるであろう。

◆提供されるのは「水道水」を濾過した水

 提供される水は飲んでみると「水道水」とは違ったやわらかい印象を受ける。掲示によると、水は「水道水」でありながらフィルターを通して濾過されたものだという。
 こうした給水機はスーパーマーケットなどで専用ボトルを購入すれば誰でも利用できるものを良く見かけることがある。しかし、無印良品のものは専用ボトルを購入せずとも、マイボトルさえ持参すれば誰でも無料で利用することができるのが嬉しい。

◆「水ボトル」と「水アプリ」で始まる新たなライフスタイル

 さて、それではなぜ水を配り始めたのか。無印良品は給水サーバーの設置を「持続可能な社会への実現のため」であるとしており、給水サービスを通してプラスチックごみの削減に繋げたい考えだという。

 もちろん、無印良品は「ただ水を配っているだけ」ではない。水を配ることによる集客を見込んでいるであろうことは言うまでもないが、それ以外にもこれに合わせていくつかの「新商品」を販売している。

 その1つが「水」と書かれたシンプルな「自分で詰める水のボトル」(空のペットボトル、税込190円)。ボトルの容量は330ミリリットルで、黒いキャップに大きく「水」と書かれたデザインはいかにも無印良品らしく、どこかオシャレな雰囲気さえある。
 このボトルは一般的なペットボトル飲料と異なり薄くてスリム。ハンドバッグや大きめのポケットにも入れることができる。また、口も一般のペットボトルよりも少し広めであり、水をそそいだり、また洗ったりする際にも便利なものとなっている。
 単に水を入れるためのペットボトルであれば、一般の飲料などに使われるものがもっと安く提供できるはずだ。そうしたなか、わざわざこうした「オシャレな専用ペットボトル」の販売をおこなうことから、無印良品は単に「水」を提供したいだけではなく、マイボトルを持ち歩くということ自体を「無印良品発のオシャレなライフスタイルとして定着させたい」という同社の意気込みを感じることができる。