神が天地創造の7日目に休息を取ったという「創世記」のエピソードから、1800年代までは週6日労働が一般的でした。しかし、次第に週5日労働が一般的なものとなり、近年は日本マイクロソフトなどの週4日労働を導入する企業も現れています。そんな週4日労働について、ニュースサイトのInverseが実際に週4日労働を導入した企業のリーダーに質問した結果をまとめた「週4日労働を導入してわかった7つのこと」を報じています。

7 Lessons From Companies That Implemented a Four-Day Workweek

https://www.inverse.com/innovation/7-lessons-from-companies-that-implemented-a-four-day-workweek

◆1:1週間の業務は4日に収まる

木工作品に関するニュースや商品レビューのサイトであるSawineryの創業者ロバート・ジョンソン氏によると、「従業員が仕事に集中している限り、1週間の業務は4日間で終えられます」とのこと。さらにジョンソン氏は、週4日労働は仕事量が多くなるものの、社交に対する欲求を十分満たすことができると述べて、「労働時間について見直し、従業員に時間の余裕を与え、会社に対する忠誠心と仕事や責任に対する熱意を持てるように促すことを強く勧めます」とコメントしました。

◆2:従業員の集中力が高まる

「従業員がより集中するようになった」と語るのは、ソリティアなどの無料ゲームを提供するSolitairedのニール・タパリア氏。Solitairedでは「1日最大10時間の週4日労働」が実践されており、金・土・日が休みとのこと。金曜日を新たに休日にした結果、従業員同士のコミュニケーションとコラボレーションが素晴らしく良くなり、チームメンバーはより集中するようになったそうで、「我々は厳しい時間制限の中で目標指向の仕事をすると、優先順位をつけて集中するようになると学びました」とタパリア氏は語っています。



◆3:従業員の絆が強まる

電子機器などのレビューを専門とするProduct Analystの創立者であるウィリー・グリア氏は、「従業員みんなが幸せを感じるようになった」とコメント。週4日労働のおかげで、一息ついて世界的な状況の影響を緩和することができていると述べて、「週4日労働が我々の結束を強くしました」と語りました。

◆4:休日が何曜日になるかは一定しない

在宅勤務と週4日労働を同時に実施したというマーケティング企業のThe Ecomm Managerの共同創立者であるテイラー・マッカーシー・ハンセン氏は、「スケジュールが一定しない」と指摘。実施前には月曜日から木曜日が労働日で金曜日から日曜日が休日になると想定していたものの、実際に週4日労働を実施してみると、むしろ「土日に働いて平日に休む」というスケジュールになったと語りました。また、1日あたりの労働時間は7〜9時間という想定ですが、ハンセン氏は「残業している従業員がちらほら見受けられる」と認めました。



◆5:仕事の先延ばしができなくなる

「仕事の先延ばしができなくなった」と語るのは、健康系情報サイトのDealsOnHealthのドゥサン・ゴルジック氏。DealsOnHealthは週4日の週30時間労働を実践しているとのことで、ゴルジック氏は「1日6時間しか業務にかけられないならば、効率的に働かなくてはならず、先延ばしすることはできません」と語りました。なお、同社では従業員同士のつながりを維持するために、追加の休日である金曜日には、従業員同士のロールプレイングゲームや雑談などのオンライン活動が奨励されているそうです。

◆6:オフィスは時間の無駄

クレジットスコアを回復する方法を教えてくれるCredit Repair Companiesのアンドリュー・ロデリックCEOは、「よくわかったのは、オフィスでは1日何時間も無駄にしていることです」とコメント。1日9時間&週4日労働を実践したところ、従業員の意欲が回復し、メンタルヘルスの改善が見られたとのことで、ロデリックCEOは「1カ月間だけでも週4日労働を試してみるべきです。結果に驚くかもしれません」と語りました。



◆7:仕事以外でも成功できる

検索エンジンの最適化を助けるAssertive Mediaのディレクターであるダニエル・フォーリー氏は、「週4日勤務によって、普段はできない物事に時間をかけられるようになりました」と指摘。実際に同社には自身の料理ブログを作成し、コンテンツの充実を図っている従業員もいるとのことで、フォーリー氏は「生産性にはいろいろな形があり、売上などだけで生産性を計るべきではありません。『従業員が自分自身を改善させられている』というのも、成功の1つの形ではないでしょうか」と語っています。