2回、先制2ランを放ったボーアはバットを投げながら一塁へ走る(撮影・田中太一)

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 「阪神2−4DeNA」(11日、甲子園球場)

 快音とともに強烈な打球が放たれると場内がドッと沸く。阪神・ボーアの“有観客1号”となる4号2ラン。目撃した現地のファンは、メガホンを打ち鳴らしてその怪力をたたえた。

 バースをほうふつとさせる、左中間席へアーチを架けたのは二回無死。大山を二塁に置いた第1打席だ。期待の大きさを示すように、「5番・ボーア」のアナウンスだけで大歓声と拍手が湧き起こった。

 カウント2−1からの4球目。低めのカットボールをコンパクトなスイングですくい上げる。雨上がりの夜空に舞い上がった白球は、グングンと伸びてファンの待つスタンドへ。今季4号は初の左方向への一発となった。

 ベンチ前では一緒に帰還した大山へ“オマエがやれ”とばかりにファイアボールポーズを指示。「悠輔にお願いされたから代わりにやってもらったよ」。いたずらっぽく笑うボーアの横で、大山が照れくさそうにカメラへ向かってポーズを決める。守備に就く際には、聖地に初めて起こった“ボーアコール”に帽子を取って応えた。

 もう左腕アレルギーとは言わせない。一時期は左腕への苦手意識を問う質問が相次いだ。その度に顔をしかめながら、「まったく気にしていない。自分のスイングを信じるだけさ」と強気に構えた。

 4本のうち3本が左腕からの一発。しかもこの日は球界を代表するサウスポーからのアーチだ。阪神が今永から甲子園で本塁打を放ったのは16年の陽川以来4年ぶりで、左打者ではボーアが初。6月26日の今永の登板時にスタメン落ちとなった悔しさを、見事に晴らしてみせた。

 八回にも安打を放ち、3度目となるマルチ安打も達成。打点、本塁打でチーム2冠に立つ。初本塁打から7試合で4発。ボーアがアーチ量産体制に入った。