ダート重賞のGIIIプロキオンS(阪神・ダート1400m)が7月12日に行なわれる。同レースは過去8年、中京競馬場で行なわれてきたが、今年は京都競馬場の改修工事などによるスケジュール変更で、10年ぶりに阪神競馬場で開催される。

 過去10年の結果を振り返ってみると、1番人気は2勝、2着2回、3着4回、着外2回と、馬券圏内(3着以内)に入る確率は80%とまずまず。ただし、勝率は20%とパッとしない。

 その点について、日刊スポーツの太田尚樹記者は「GIIIなので、”本気度”がまちまちですから」と言う。要するに、ダートシーズンから外れた季節柄もあって、1番人気に推される実績馬ほど、”ここが勝負レースではない”ことが往々にしてある、ということだ。

 また、スポーツ報知の坂本達洋記者はこんな見解を示す。

「実績馬の場合は(重い)斤量を背負うことになる。そうしたことも、1番人気の勝率が低くなる傾向の一因となっているのではないでしょうか」

 では、そうした状況にあって、どういった馬が狙い目になるのか。坂本記者はこう分析する。

「過去10年で5勝を挙げている4歳馬は、今年も強力です。しかし今年は、人気が予想されるラプタス(せん4歳)やトップウイナー(牡4歳)らが積極策を取ると見られ、実績馬のサクセスエナジー(牡6歳)もハナ争いに加わってくると思われます。しかも、スピード比べの7ハロン戦ですから、スローになることは考えられません。そうなると、有力馬たちが作り出したハイペースを利して、意外な馬が突っ込んでくる可能性もあるのでは? と期待しています」

 そこで、坂本記者はまず、昨年のレースで2着だったミッキーワイルド(牡5歳)に注目する。

「前走のオープン特別・欅S(5月30日/東京・ダート1400m)では、先に抜け出したトップウイナーには届きませんでしたが、4角10番手からメンバー最速の上がり(35秒2)を繰り出して、アタマ差の2着まで追い上げました。1週前の追い切りでは、びっしり攻めて上積みも見込めます。前が崩れるようなら、チャンスはあるでしょう」

 さらに、ミッキーワイルドには血統面から後押しされる、心強いデータもあるという。坂本記者が続ける。

「ロードカナロア産駒は、芝の大舞台で活躍しているイメージが強いですが、実はダートでも存在感を示しています。2019年に行なわれたダート1400m戦では、ヘニーヒューズ産駒と並んで、トップタイの18勝を挙げているんです。こうしたデータを見れば、ますます食指が動きます。

 梅雨時ですから、道悪の馬場になる可能性が高いですが、そんな脚抜きのいい馬場も、同馬にはプラス材料。一発あっても、不思議ではありません」

 坂本記者はもう1頭、決め手がある古豪の名前を挙げる。

「スマートアヴァロン(牡8歳)です。同馬は、どうしても展開に左右されてしまうタイプですが、近4走では連続して馬券圏内に入る好走を見せています。その安定感は、力がある証拠です。今回は、約5カ月の休み明け。加えて、重賞実績が少ない分、上位人気は見込めませんが、一気に突き抜けてもおかしくありません。

 鞍上は、全国リーディングでも上位20位以内に食い込んでいる西村淳也騎手。若武者の思い切った手綱さばきで、好配当を演出してくれることを期待しています」



プロキオンSでの巻き返しが期待されるスマートダンディー

 一方、太田記者は、スマートダンディー(牡6歳)を推奨する。

「前走のオープン特別・天保山S(6月13日/阪神・ダート1400m)は、3番人気で6着と敗戦。その負けを気にする人もいるかもしれませんが、前走は3カ月の休み明けでしたし、レース後に鞍上の秋山真一郎騎手が『次はよくなると思う』と強調していました。

 同馬は典型的な叩き良化型で、過去の成績を見ても、休み明けは1勝、2着0回、3着1回、着外5回。それに比べて、叩き2走目は2勝、2着1回、3着1回、着外0回と、一変しています。そのうえ、今回は過去4勝を挙げている得意な阪神。前走の敗戦で人気を落すようなら、配当的な妙味も増して、大いに狙い目です」

 太田記者ももう1頭、芝レースの実績馬を穴馬候補に挙げる。

「エアスピネル(牡7歳)です。およそ1年ぶりの実戦で、なおかつ、初のダート戦と条件は厳しいですが、デビューから17戦連続で掲示板(5着以内)に載っていたように、堅実に走れるタイプであることは間違いありません。

 芝では、重賞3勝。GIでも2度の2着があって、脚力自体は上位です。調教にまたがった鞍上の鮫島克駿騎手も、『乗り味はさすがGI2着馬。初ダートも合うのでは』と前向きでした。未知の魅力にあふれていますし、大駆けへの期待が膨らみます」 新旧の実力馬が集った真夏のダート重賞。今年は、例年になく波乱ムードが漂っており、あっと驚く馬の激走も十分に見込める。その候補となり得る存在が、ここに挙げた4頭の中にいるかもしれない。