雑誌『ViVi』(講談社)の現役モデルでありながら、TV出演、写真集発売、アパレルブランド・コスメブランド立ち上げ、YouTuberへの進出など活躍が止まらない藤田ニコルさん。

2020年2月には新たに、コスメブランド「cimer(シーメル)」を立ち上げました。

「やりたいことは全部やる!」というバイタリティはどこからきているのか…?

チャレンジ精神の源泉をきくと、「もう死んじゃうかも」という衝撃的なお答えが…。大人気モデルの意外なほどの“俯瞰スタンス”をお届けします。

読んだら今より、『好きになるよ?』(※写真集のタイトルです)。

〈聞き手=ほしゆき〉


【藤田ニコル(ふじた・にこる)】1998年、ニュージーランド生まれ。2009年、オーディションに合格し、ファッション誌『nicola』の専属モデルとなる。2014年からは『Popteen』、2017年からは『ViVi』の専属モデルに。2020年には自身のコスメブランドである「cimer」を立ち上げた

「人生の夢はもう全部叶っちゃった」「死んじゃうんじゃないかな」

ほし:
ニコルさん、今日はよろしくお願いします!

モデルとして活躍しながら、アパレルブランドの立ち上げ、写真集に挑戦、YouTubeチャンネル開設、そして今年2月にコスメブランド『cimer』立ち上げ…

いつも新しいことにチャレンジしてますよね。

にこるん:
「若いうちに、やりたいことは全部やりたい」って気持ちがずっとあって、やってみなきゃわかんないので、なんでもやってみるようにしてます。

それで失敗することもあるんだけど…

ほし:
失敗なんてありましたっけ?

にこるん:
歌とか。


2016年に自身も作詞に携わった『Bye Bye』で歌手デビューをしています。「楽しかったしチャレンジしてよかったです(笑)」とのこと。失敗じゃないですよ!

ほし:
…今日は、ニコルさんがそんなに挑戦を続けられるのか?についてお話をききたいと思ってます!

にこるん:
そうだな〜。私は「なんでもやりたい」と思う人だから、芸能界に入ったときからずっと、夢とか目標とか、今一番したいことをまわりの大人たちに言ってた。

普通に言うだけじゃダメです。

公共の電波使って、テレビでも「○○に出たい!」とか言ってました。しかも「○歳までにこの夢を叶えたい」って期限を決めたり。

ほし:
発信することでどんな夢が叶ったんですか?

にこるん:
最近だと『セブンルール』!

ほし:
あ〜! 先日(6月23日放送分)出られてましたね!

にこるん:
何年も前に、インスタのストーリーで「今一番出たい番組!」って書いたの。

そしたら番組の人が見てくれてたらしくて、逆オファーってことで出られた(笑)。

ほし:
『セブンルール』に逆オファーで出るとかあるんですね…


そんな人にこるんぐらいしかいないでしょう…

ほし:
でも、「夢を口に出しなさい」ってよく言うけど、それだけで本当に夢が叶うのかな…

にこるん:
うん、叶います。

私、もう人生でやりたい夢全部叶っちゃったもん。

ほし:
えっ、全部叶った?

失礼ながら今年齢は…

にこるん:
22歳。


22歳で人生の夢を全達成…!!!

にこるん:
「雑誌の表紙に載りたい」って言ってたら叶ったし、『情熱大陸』も出られた。

あと、ずっと前から「ハタチまでに109の広告に載りたい」って言ってたら…叶ったんですよ

それがハタチの誕生日の数日前

@2525nicole2さんのInstagramの投稿

奇跡のように夢を叶えた瞬間の写真がこちら

にこるん:
唯一まだ叶えられてなかった夢が「コスメブランドの立ち上げ」だったので、「cimer」で叶っちゃった。

だから最近思うんですよ。もう人生に夢がないから、早く死んじゃうんじゃないかなって…(笑)


「死」を意識しているにこるん

「人生に『難』がほしいんだよね」「最近はちょっと愛されすぎてるかな」

ほし:
でも、夢を口に出すってハードル高いですよね?

「無理だろ」って言われるようなことはないんですか?

にこるん:
めっちゃ言われますよ。私がどんな夢を語っても、ファンの人以外からは全部「無理だろ」って思われてた。

インスタとかにアンチコメントがたくさん来てるのを読んで、“見返してやるからな!”って思ってました。

ほし:
アンチか…

『セブンルール』でも、「あれがモデルかよ」って陰口叩かれた話をしてたし、学校でイジメられた経験もあると聞きました。

にこるん:
私、そういうの好きなんですよ。

なんていうか、「難」が

人生に「難」がほしいんだよね。


この笑顔で「『難』がほしい」と…

ほし:
「にこるんは超ストイック」って聞きましたが、その神髄を見た気がします…

にこるん:
私ストイックなのかなあ?

「難」を超えるのが楽しいだけだから、ストイックっていうのも違うかも。

…Mなのかも(笑)


M

ほし:
いろんな「難」に次々直面してるんですね。たしかに、インスタにけっこう“病みストーリー”を上げてますよね…

にこるん:
いろんな仕事してるから、いろんなことに悩んで、毎晩病んでる(笑)。

でも、「難」が何もないとそれはそれで病んじゃうっていう(笑)。

結局私は、仕事が“生きる原動力”。だから、病んだりしながら仕事を必死にやっていくしかないんだなって思ってます。



にこるん:
ウチはもともと家が貧乏だったのね

コスメは百均でしか買えなかったし、洋服もフリマで買ってたし。

ほし:
そんな苦労時代が…

にこるん:
でも、百均コスメの性能ってすごいんですよ。最近ではみんなそれに気付いてきたけど。

小中学生向けの雑誌だと面白がられて、“にこるんが教える百均コスメメイク”みたいに特集を組んでもらえたりしたの。

ほし:
まさに、「難」をプラスに変えた経験ですね…!

にこるん:
でも最近は「難」がないからヤバい(笑)。

Twitterでエゴサしても、悪口がほとんどない!

ほし:
エゴサしてるんだ…

最近は好感度がめちゃくちゃ高いですもんね。

にこるん:
そうなの。なんか最近…超普通のこと言っただけで「さすがにこるん!」「いいこと言ってる!」みたいな

好きって言ってもらえるのはすごくうれしいんですけど、昔と何も変わってないはずなのに…

ちょっと、「愛されすぎて怖いな」って思ってます。


俯瞰にこるん

ほし:
メディア側が、そういう役割を期待してるっていうのもあるんですかね。

にこるん:
そうなのかなぁ…落差が怖いから、持ち上げないでほしい(笑)。

好感度が高すぎると、何か失態を犯したときに大変なことになっちゃうじゃないですか(笑)

ほどほどに愛されてたいです。

「“今が人気のピーク”ってずっと思ってる」

にこるん:
でも実際、「今が人気のピークかな」ってよく考える。

ほし:
え、どうしてですか?

にこるん:
なんていうか…ずっとそういう感覚があるんですよね。

ファッションショーでランウェイに出て、みんな「キャ〜!!!」って言ってくれるけど…

そのたびに「そろそろみんな飽きるんじゃないかな」「いつまでもこんなテンションで受け入れてもらえないだろうな」って。


「『ウチが26歳になってここを歩いても、同じようにキャ〜!!!って言ってもらえるのかな?』って思う」

にこるん:
コスメブランドの立ち上げも、22歳の今が実現するには一番いいタイミングだったなって思ってます。

ほし:
それはなぜですか?

にこるん:
2年前の私が出すのと、今の私が出すのだと説得力が違うと思うから


また「俯瞰にこるん」が

にこるん:
コスメの使い方を発信してきたYouTubeチャンネルもけっこう登録者を多くすることができたし…SNSで発信する力もついたかなって。

ほし:
(にこるん、「なにも考えてないですよ」みたいなことを言うけどめちゃくちゃ考えてる…)

“タイミング”というものをすごく意識してるんですね。

にこるん:
そうですね。『Popteen』のモデル卒業(2017年)も、一番求められてるときに辞めたいと思ってて。

ダラダラつづけて、「まだいるの?」って思われたくない。

私、『Popteen』を辞める1年半くらい前から『ViVi』にあいさつに行ってたんですよ。

ほし:
えっ、先手打つのはや…!

にこるん:
飽きられてから考えるより、その前に動いておきたいからね。

私はやっぱり、ずっとこうやって生き急いで生きていくんだなって思います(笑)。


人気モデルの意外な一面が、いくつも垣間見える時間でした。

今の自分を俯瞰して、挑戦を続けるにこるん…。

本人は「怖いから持ち上げすぎないでほしい」と言っていましたが…

持ち上げるつもりはなくても、勝手に持ち上がってしまう。これは不可抗力です!

〈取材・文=ほしゆき(@yknk_st)/編集=天野俊吉(@amanop)〉

藤田ニコルプロデュースのコスメブランド『cimer』

2020年2月、にこるんが実現した“最後の夢”であるコスメブランド『cimer』。

テーマは、「すべての女の子に、ちょっとの勇気や冒険を」。

第一弾として、自然なツヤ・発色が叶う次世代ルージュ「cimer プランパールージュ(3色)」がオンラインストア・PLAZAで発売中です。

にこるんのスタンスに共感した方は、ぜひチェックしてみてください!

藤田ニコルプロデュース コスメブランド | cimer(シーメル)
https://cimer.jp/