「スノーモンキー」として親しまれているニホンザル

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長野県の山ノ内町にある、一年を通して野生のニホンザルを間近に観察できる施設が、こちらの「地獄谷野猿公苑」。なかでも、冬場になると温泉に入るニホンザルの姿がメディアで頻繁に紹介され、国内のみならず海外からも観光客が多いスポットとして知られている。この人気スポットの魅力はもちろん、周辺のおすすめ施設情報についても併せて紹介する。

【写真】毛づくろいをするサルの親子を、自然の中で見られるのも人気の理由

※記事内で紹介している展示やアトラクション、イベント、施設等は、休止・中止または内容が変更になっている場合があります。ご注意ください。

■【見どころ1】野生のニホンザルを間近に観察できる

志賀高原を源とする横湯川の渓谷にある、地獄谷野猿公苑。急峻な崖と、いたるところから立ち上がる温泉の湯気を見た人々によって“地獄谷”と名付けられたこの場所は、1964年に野生のニホンザルを間近に観察できる施設として開苑。以来、一般の観光客はもちろん、ニホンザルの興味深い生態を観察しようと国内外から研究者や写真家などが訪れている。

スタッフの長崎さんおすすめの楽しみ方は、「当施設まで続く1.6キロほどの遊歩道には、ニホンザルに関する豆知識が書かれた看板があるので、しっかりその情報もチェックするのがおすすめです。お猿さんの生態について、詳しく知れば知るほど観察したときの発見が多くておもしろいと思います」とのこと。

サル専用の温泉や川の周辺、遠くの山々のいたるところにニホンザルの姿が。すぐ目の前でいろいろな表情を見せる野生のサルの姿を満喫しよう。

■【見どころ2】野生動物に出合えるかも!?壮大な自然が魅力

険しい山々に囲まれた渓谷に位置するため、ニホンザルのほかにも、リス、天然記念物のニホンカモシカなども生息。運が良ければ出合えるかもしれない。また、季節によって景色を変えていく遊歩道をゆったりと歩きながらのバードウォッチングも可能。そうした壮大な自然の魅力に存分に触れられるのが大きな魅力だ。

※自然の状態を大切にしているため、人に危害を加える動物と遭遇することもあるので注意してください。

■【見どころ3】海外でも有名!雪降る中で入浴するサルは必見

標高850メートルの場所にあるこの施設。気温がマイナス10度まで低下し、1メートルを超える積雪が記録される険しい冬が訪れるころ、風物詩とも言える光景が出現する。それが、猿たちが温泉に浸かる、なんともほのぼのとした“温泉ザル”だ。

施設の近くにある、「地獄谷温泉 後楽館」という旅館の露天風呂に入浴するようになったのが始まりで、今では縦4メートル・横10メートルの「お猿さん専用の露天風呂」が作られている。

1998年に長野で開催された冬季オリンピックで、選手をはじめとした大会関係者などに知られたことがきっかけとなり、海外メディアでも取り上げられることが多くなったそう。雪景色の中でのんびりとお湯に浸かる姿から、海外では“スノーモンキー”と呼ばれている。

夏場はほとんど入浴しないが、春に生まれた赤ちゃんザルたちがすくすくと成長していく姿が観察できる。

■【お土産】旅の思い出を購入できるおすすめのショップ情報

ここでしか購入できないお土産や雑貨が充実した売店も。特に人気が高いのは、サルのかわいいぬいぐるみマグネット(750円)や、温泉に入るサルのイラストが描かれたオリジナルのTシャツ(2850円)。また、いろいろな表情を捉えたサルのポストカード(100円)も販売している。旅の思い出にぜひ購入しよう。

■【グルメ】遊歩道入口手前のカフェで絶景と食事を満喫

「施設内を満喫したら、自然に触れながらお食事を楽しむのはいかがでしょうか?遊歩道の入口手前には、カフェやラーメン店などの飲食店があります。また、上林温泉エリアにあるクラフトビールで有名な志賀高原ビール直営のビアバー『The Farmhouse』は、旅の記念にぴったりでおすすめです。琥珀色からにごり、黒などさまざまなテイストの樽生ビールを楽しむことができるんですよ。苑内での飲酒は禁止ですので、帰路の途中で旅の疲れを癒やしながら楽しんでくださいね」と、長崎さん。

そして、観光客にこちらも人気なのが、遊歩道の入口手前にある大自然に囲まれた「猿座カフェ」。野生の猿を見に訪れる前後に、テラス席で四季を感じながらゆったりとくつろげる場所として知られている。

定番のカフェメニューに加え、数種類のフルーツが入ったヘルシースムージーや信州の食材をふんだんに使ったピザランチ(サラダ・ドリンク付き)、大きな手作りアップルパイ(アイス添え)などが人気。ドリンクやアップルパイはテイクアウトも可能だ。

■【周辺施設】温泉や部屋の窓にサルが遊びに来る温泉旅館

旅の疲れを癒やすのにピッタリなのが、野猿公苑にほど近い秘湯の温泉宿「地獄谷温泉 後楽館」。1864年創業の宿で、周辺にはさまざまな野生動物が生息し、露天風呂から大自然を満喫できるのが魅力。

温泉の種類は、男女別々の木造の内湯、川沿いの混浴露天風呂、女性専用の露天風呂、貸し切り家族風呂が2つ。12時から15時は日帰り温泉にも対応してくれるので、ぜひ立ち寄ってみよう。

※むやみにサルにエサをあげる行為は禁止。

■【攻略法・アクセス】美しい景観を楽しみながら訪れて

長崎さんが施設の魅力とアクセス方法を教えてくれた。

「当施設の魅力は、なんといっても壮大な自然です。都会的な旅と比べると不便な部分を感じられるかもしれませんが、それが自然の醍醐味。長野駅から志賀高原行き急行バスに乗車し、最寄りのバス停『スノーモンキーパーク』で下車したら、約2キロの遊歩道をゆったりと散歩しながら志賀高原の麓にある当施設を目指しましょう」

アクセス方法には、バスのほかにも長野駅から私鉄に乗り換えて向かうルートもある。

バス停「スノーモンキーパーク」からは一部坂があるものの、ほぼ平坦な道が続く遊歩道。夏は新緑、秋には紅葉、冬には一面を白く染め上げる雪景色を満喫できる。冬は暖かい服装かつ、雪道でも歩きやすい靴で、グリーンシーズンは歩きやすい軽装で訪れるのがおすすめだ。また、大きな荷物は最寄り駅の休憩所などのロッカーに預けておくのが便利だ。

車で訪れる場合は上信越自動車道信州中野ICから。上林温泉エリアにある無料駐車場と、渋温泉から行く地獄谷有料駐車場(冬季利用不可)が利用できる。

入場料は大人(18歳以上)800円、子供(6歳以上)400円(各税込)。施設の営業時間は8時30分から17時、11月から3月は9時から16時。無休。

野生のニホンザルの生態を間近に観察しながら、自然も満喫できる地獄谷野猿公苑。都会の喧騒を忘れて、ゆったりと流れる時間の中で癒やしを感じながら旅に出かけてみよう。

※野生動物のため、営業時間内にサルがいないこともあります。

■【新型コロナウイルス感染予防対策】

・感染予防の為、来場の際はマスクをご着用ください。

・手洗いやアルコール消毒液による手指の消毒にご協力ください。

・団体での利用はご遠慮ください。

取材・文=橋本未来

※新型コロナウイルス(COVID-19)感染症拡大防止にご配慮のうえおでかけください。マスク着用、3密(密閉、密集、密接)回避、ソーシャルディスタンスの確保、咳エチケットの遵守を心がけましょう。

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※2020年5月時点の情報です。