ITライター・山口真弘の気になるグッズラボ 
〜サンワダイレクト「400-ADR323GY」レビュー

2020年07月07日
TEXT:山口真弘(ITライター)

自宅以外の場所、例えば旅行先や出張先で、メモリカードの中の写真をPCに移したり、あるいは交換したいというニーズは少なくありません。持ち歩くのに適したカードリーダーやメモリカードケースはそれぞれ市販されていますが、ばらばらにバッグの中に入れることで、かえって雑然としてしまいがちです。

今回紹介するサンワダイレクトの「400-ADR323GY」は、メモリカード、カードリーダー、さらにはSIMカードをまとめて持ち歩けるキットです。外出先でメモリカードを交換したり、データを読み出したり、またSIMカードを取り替えたい場合に重宝します。 


製品本体。サイズは64.6×16.4mmとほぼ名刺サイズ。ボディはプラスチック製です


メモリカードケースに、カードリーダーが合体した構造。SIMピンも付属します

ボディは名刺サイズで、ふたを開くと中にメモリカードなどの収納スペースがあり、さらにその横にはカードリーダーを合体させられるようになっています。

収納可能なメモリカードの枚数は、microSDが2枚、SDカードが1枚となっています。一般的に、メモリカードケースといえば10枚や20枚を収納できる大容量タイプがメインですが、そのぶんかさばるため持ち歩きには不便です。その点、本製品ならば、ちょっとした外出にはぴったりの仕様です。

フルサイズのSDカードを使っている人にとっては、SDカードが1枚しか収納できないのはネックに思えますが、その場合はSDカード変換アダプターを用意し、microSDを抜き差ししながら使うようにすれば、計3枚のカードを同時に持ち歩けます。


フルに収納した状態。SDカード×1、microSD×2、nanoSIM×1を収納できます


取り外した状態。必要な枚数をカードリーダーとともにコンパクトに持ち歩けます

本製品のもう一つの利点はカードリーダーもまとめて持ち歩けることです。規格はUSB 3.1 Gen 1で、SDカードとmicroSDの読み取りに対応しています(排他利用)。ポートはUSB Type-CとAの両方に対応していますので、古いPCから新しいノートPCまで、幅広く利用できます。

本体へのセットも、側面のスロットにはめ込むだけと簡単です。こうしたカードリーダーは、PC本体に挿したまま忘れることもよくありますが、本製品は外部から見える構造ですので、うっかりPCに挿したままになっていても、気がつきやすいのもメリットです。

またもうひとつの特徴として、nano SIMカードを収納できることが挙げられます。これにより、海外渡航時にSIMカードを交換したり、あるいは複数のデバイスでひとつのSIMカードを使い回している場合などに、外出先でも簡単に差し替えられます。SIMピンも搭載されていますので、外出先でスロットを開けられず困ることもありません。


カードリーダー。128GBまでのmicroSDXCおよび256GBまでのSDXCカードに対応します


2つのスロットは排他利用。両端にそれぞれUSB Type-AとType-Cのコネクタを備えます


横から見たところ。向かって右、カードリーダーの収納部はやや厚みがあります


カードリーダーは側面からはめ込むようにして取り付けます。表裏があることに注意

実際に使ってみましたが、写真撮影を伴う外出や出張時などに本製品があると、非常に安心感があります。こうした複数の機能が合体した製品は、ギミックにこだわりすぎて使い勝手がイマイチなこともしばしばですが、本製品に関してはそうした問題はありません。

価格も実売1,680円と、カードリーダー1台が付属していることを考えると、かなりのお買い得感があります。作りそのものはシンプルですが、外出時用はもちろん、引き出しの中に放り込んでおいていつでも使えるようにしておけば、何かと役に立つ製品と言えそうです。

製品名:400-ADR323GY
実売価格:1,680円
発売元:サンワダイレクト
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/B07YBPB36J/

[筆者プロフィール]
山口 真弘(やまぐち まさひろ)
ITライター。PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWEBや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え電子書籍、スマートスピーカーが主な守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』(ソフトバンククリエイティブ)『PDF+Acrobat ビジネス文書活用[ビジテク] 』(翔泳社)など。Twitter:@kizuki_jpn