openSUSEリリースチームは7月2日(米国時間)、オープンソースのLinuxディストリビューション「openSUSE Leap 15.2」をリリースした。Leap 15.2では、セキュリティやバグ修正に加えて、コンテナや仮想マシン技術のサポート強化、AI技術や機械学習に関するパッケージの追加などが含まれている。

openSUSE Leap 15.2リリース


openSUSE Leap 15.2のリリースに関する詳細は、次のリリースアナウンスにまとめられている。

Release announcement 15.2 - openSUSE Wiki

今回のリリースで最も目を引くのは、やはりAI技術や機械学習に関するパッケージの充実だろう。深層学習向けのフレームワーク「Tensorflow」やPython用の機械学習ライブラリ「PyTorch」、機械学習や人工知能のモデルを表現するオープンなフォーマット「ONNX」といった業界標準のパッケージが標準で搭載されるほか、GrafanaとPrometheusという専門家向けのデータ分析ツールも提供される。

サーバ向け技術も大幅に機能強化されている。Leap 15.2では、コンテナ管理基盤の「Kubernetes」や、Kubernetes向けのパッケージマネージャである「Helm」が公式パッケージに追加された。このことは、openSUSEがコンテナを利用する大規模アプリケーションの実行基盤として格段に使いやすくなったことを意味する。OCI(Open Container Initiative)準拠のコンテナランタイムである「CRI-O」も追加され、コンテナを実行する環境の選択肢も広がった。

サーバ関連技術が大幅にアップデートされたのに対して、従来から充実していたデスクトップ関連の機能についてはより堅実なアップデートとなった。主要なウィンドウマネージャとしては、KDEはPlasma 5.18に、GNOMEはバージョン 3.34にそれぞれバージョンアップした。

openSUSEの大きな強みのひとつと言えるのが、統合的な管理・保守ツール「YaST」の存在だ。Leap 15.2ではYaSTも大幅に改善されており、複数のデバイスにまたがったbtrfsファイルシステムの作成や管理ができるようになったほか、より高度な暗号化技術をサポートして安全性も高められている。また、WindowsのWSL(Windows Subsystem for Linux)との互換性も改善され、YaST Firstbootを使うことでWSLでの実行に必要な初期設定を簡単に行えるようになっているとのことだ。

openSUSEのLeap 15系のバージョンには18ヶ月間のサポート期間が設定されている。前バージョンであるOpenSUSE 15.1は2019年5月にリリースされているので、15.1のユーザはそのサポートが切れる前にLeap 15.2にアップグレードすることが推奨されている。openSUSE 15.2は、公式サイトの下記のページよりダウンロードできる。

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