事件の引き金に

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 コロナ禍では何かとコミュニケーションが難しくなることはみなが実感しているところだが、やはりというべきか、事件は起こっている。中国の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏がレポートする。

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 中国はコロナ禍のなか、ずっと自粛ムードかといえば若者だけはなかなかそうもいかないようだ。

 かねてからコロナによる外出制限は家族間の接触を濃密にし、関係をこじれさせるとされてきたが、それは夫婦間に限った話ではない。父子関係も例外ではない。なかでも、子供が一日中ゲームばかりしているような場合には問題が激化しやすい。

 5月中旬、杭州市で話題となったケースはその典型だ。事件の幕開けは、19歳と名乗る男の110番だった。

 警察に届いた通報の内容は、自分の父親が児童を誘拐してきて組織に売り飛ばしている内容だった。本当であれば大事件だ。しかし、現場に駆け付けた警官は、大いに失望することとなった。というのも通報者の19歳の男は父親から一日中ゲームばかりしていることを咎められ、その腹いせに事件をでっちあげて通報していたからだ。

 一方、5月20日の『環球ネット』は、西安市の公安局からの情報として、自動車免許を取得してわずか3時間で取り消しとなった若者のケースを報じている。いわく、〈史上最短命のドライバーズライセンス 享年3時間〉である。

 事の顛末はいうまでもなくバカバカしい。免許が取得できたことを喜んだ男が、友人と連れ立って祝いの宴に興じ、そのまま自動車を運転して帰宅しようとしたところを御用になったという話だ。残ったのは、免許取り消しの最短レコードを塗り替えたという不名誉な記録だけ。それにしても人身事故を起こさなかったことは、まだ幸運だったのかもしれない。