今やローダウンはチューニングの基本

 その昔は、車検証の状態から少しでもイジっていると違法改造になる時代があったが、徐々に規制緩和されて現在に至っている。たとえば、ドアミラーは違法装備だったのだが、今思えばその理由すらわからないほど普通な存在だ。

 カスタムやチューニング、ドレスアップに興味がある人なら耳にしたことがあるであろう、車高調整機能付きサスペンション、通称、車高調。今ではカー用品店でも普通に買えるようになった。今回はその機能やメリットについて、改めて解説する。

 ローダウンするにはいろいろな方法があり、まず簡単に楽しむ方法だと、スプリングだけ交換するという手がある。純正のショックアブソーバーと組み合わせることもできるので、費用も安く済む。その昔、シャコタンだった時代にふた巻カットなとど言っていたのは、社外のダウンスプリングなどないので、純正のスプリングを切って、お手製のダウンスプリングを作っていたからだ。

 またローダウンスプリングとショックアブソーバーを組み合わせたキットもあって、価格は高くなるが、性能面でバランスがいい。スプリングだけだと、当然のことながらバランスは崩れがちなので、セットなら走りもよくなる。

 ただし、肝心のローダウン量に関しては規定量固定なので、もう少し車高を落としたい、または上げたいと思った場合、別の製品を買って組み替えるしかない。

価格は全体的に安くなってきている

 そのデメリットを解消するのが、車高調だ。その名のとおり、車高を好みで変えられるもので、方法としてはネジ式と全長調整式のふたつがポピュラー。以前あったCリング式というのはほとんど見かけなくなってしまった。

 ネジ式はスプリングの下部分を支えている皿の位置を動かして、全体を短くするもので、ショックアブソーバーのストローク量とともに短くなってしまうのが欠点。走っても跳ねやすくなるが、調整が簡単であり価格も安いのでポピュラーな方式ではある。

 一方の全長調整式はショックアブソーバーの長さは変更せずに、取り付け位置で全体の長さを調整する。車高を調整してもショックアブソーバーの性能に変化はなく、調整幅も広いので、走りが悪化する可能性も低い。ただ、価格は高くなりがちだ。

 どちらがいい悪いではなく、価格も含めたメリットとデメリットを知った上で選べばいいだろう。車高調がポピュラーになったことで、価格は以前に比べると全体的に安くなってきている。

 肝心のダウン量は規制緩和のおかげもあって、4cmダウンまでは車検はそのまま通る(スプリングにガタがなければ)。逆に4cmアップでもOKなので、最近ではSUVなどで車高を上げる例も増えてきている。