関連画像

写真拡大

「あなたの子と嘘をついたら、罪に問われますか?」。体だけの関係の男性に思わず嘘をついてしまった女性が、弁護士ドットコムにこんな相談を寄せました。

女性は彼氏がいましたが、別の男性と体だけの関係が続いていました。女性はその後妊娠。彼氏との間の子どもでした。

一方、遊び相手の男性も彼女がおり婚約までしていたことが判明。ただ別れるのも悔しくなり「あなたの子を妊娠したけど1人で産んで育てる」と嘘をついてしまいました。

「今思えば浅はかです」。女性は自分の発言を後悔しているものの、男性は「責任を取る」と子どもへのプレゼントを渡してきました。

男性は今も、女性が自分の子を産み、シングルマザーになったと信じており、女性は「今になり、私が嘘をついたのが全てバレたら訴えられるか怖くなっています」と心配しているようです。

お金を要求したり脅したりはしていないものの、女性の嘘は法的に問題になるのでしょうか。染川智子弁護士に聞きました。

●嘘だけで罰を受けることはないが…

ーー女性は訴えられるか不安でいるようです。こうした嘘は法的に問題になりますか

子の父親ではない男性に対して妊娠したと嘘をつくこと、そのことだけで何か罰を受けるようなことは無い可能性が高いと思われます。

しかしながら、嘘をつかれた男性が、婚約中だった女性と婚約を解消したり、婚約相手に慰謝料を払うなどした場合は、嘘をついたことで男性に損害が生じたといえますので、その損害を賠償する責任が生じるおそれがあります。

ーープレゼントをもらっていたことについては、どうでしょうか

嘘をついた男性から子どもへのプレゼントを受け取った場合、積極的に要求したものではなくとも、人を騙して物品を受け取ったことになりますから、詐欺にあたるおそれがあります。

そして、仮にプレゼントを受け取らなくとも、プレゼントを買った男性はその分のお金を損したことになりますので、その代金分を賠償する責任が生じるおそれもあります。

このほか、出産後に養育費を求めたり、出産費用の負担を迫るなどした場合は、やはり詐欺にあたり得ますし、深刻な場合は刑事告訴されることも懸念されます。

直接会ってお話しされなくとも、メールやお手紙でも結構ですので、嘘であることは、なるべく早くにお伝えされるのが良いかと思われます。

【取材協力弁護士】
染川 智子(そめかわ・さとこ)弁護士
あわざ総合法律事務所(大阪弁護士会)弁護士。
家族にかかわる問題(離婚・相続・少年事件など)を多く取扱う。わかりやすい気さくな説明を心がけ、より満足感の高い解決に重点を置く。駅徒歩0分・カフェスタイルで、男女問わず気軽に利用できる雰囲気を大切にしている。
事務所名:あわざ総合法律事務所
事務所URL:http://awaza-law.jp/