米航空宇宙局(NASA)は1990年4月24日、ハッブル宇宙望遠鏡を打ち上げた。それ以来ハッブルは、休むことなく宇宙の観測を続けてきた。ハッブルの打ち上げ30周年となったことを記念して、特に忘れ難い印象的な写真のいくつかを紹介しよう。

「30周年を迎えたハッブル宇宙望遠鏡が教えてくれたこと:今週の宇宙ギャラリー」の写真・リンク付きの記事はこちら

まずは、30周年記念にあたる2020年の写真だ。この写真には、「宇宙のサンゴ礁」のニックネームがついた2つの星雲が写っている。星が生まれるときや死ぬときには、たいていは途方もない力で物質が吐き出される。それがその星のまわりの環境をかたちづくり、星雲を生み出す。

1/6ハッブル宇宙望遠鏡30周年を記念するこの写真は、なんともすごい。「宇宙のサンゴ礁」と題されたこの画像には、厳密に言うと2つの星雲が写っている。「NGC 2014」(大きくて赤いほう)と「NGC 2020」(その隣の小さくて青いほう)だ。この2つの星雲は、天の川銀河の伴銀河(衛星銀河)である「大マゼラン雲」にあり、地球から16万3000光年ほど離れている。PHOTOGRAPH COURTESY OF NASA/ESA/STSCI2/6この29周年の記念写真には、数千光年の彼方にある「南のかに星雲」が写っている。この砂時計のような形は、2つの星が互いのまわりを回り、それぞれが衝撃波を出すことで生まれている。2つの星のうち、ひとつは年老いた赤色矮星(太陽もいずれこれになる)、もうひとつは白色矮星だ。それぞれの星が物質を宇宙に吐き出し、そのうしろに連なる塵とガスの尾をつくり出している。PHOTOGRAPH COURTESY OF NASA/ESA/STSCI3/6ハッブルの28周年の記念日に、NASAは「干潟星雲」の新画像を公開した。この美しい星雲は、地球から4,000光年離れた星のゆりかごだ。写真中央に見える明るい恒星「ハーシェル36」は、若く巨大な星で、太陽の20万倍の明るさを放っている。この星がすさまじいスピードで物質を外へ吐き出し、星屑でできた「山脈」や「洞穴」を生み出している。PHOTOGRAPH COURTESY OF NASA/ESA/STSCI4/6この「宇宙の相棒」のような2つの銀河は、5,500万光年の彼方にある。左の銀河は「NGC 4302」、右の銀河は「NGC 4298」だ。赤茶色の部分はひとまとまりになった塵、青っぽい領域は活発に星が形成されている場所にあたる。左の銀河の明るい青の領域では、きわめて活発に星が形成されている。PHOTOGRAPH COURTESY OF NASA/ESA/STSCI5/6ハッブル打ち上げ26周年の記念日に、NASAはこの「バブル星雲」の見事な写真を公開した。この「バブル」は、中心にある恒星「SAO 20575」から出る恒星風が生み出している。バブル星雲は、1787年にウィリアム・ハーシェルによって発見された。PHOTOGRAPH COURTESY OF NASA/ESA6/6ハッブルの25周年の記念写真は、「ウェスタールンド2」と呼ばれる星団にスポットが当たっている。この星団は若く、生まれてからまだ200万年ほどしか経っていない。そして、われらが天の川銀河のなかにある。この星団には、これまでに発見された星のなかでも、とりわけ巨大で高温で明るい星々が含まれている。PHOTOGRAPH COURTESY OF NASA/ESA/STSCI

星雲のなかには、たったひとつの星の死から生まれるものもあれば、既存の星間塵や星間ガスから構成され、若い星を生み出す星のゆりかごとして機能しているものもある。特に有名な星雲のいくつかは、馬の頭やカニなどの面白い形をしている。

ハッブルはこの30年で、わたしたちに多くのことを教えてくれた。ハッブルのおかげで、わたしたちの天の川銀河は、宇宙にある何千億もの銀河のひとつにすぎないことが明らかになった。ハッブルは、はるか彼方の銀河を観測できることから、宇宙の膨張を詳しく探る手がかりも与えてくれる。そうしたはるか彼方の銀河の観測は、138億歳という宇宙の年齢の推定にも貢献した。

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