【今週のボヤき】

在宅勤務でオンライン会議をする機会が多いのですが、この前同僚から「前から思っていたんですけれど、上司とオンライン会議に同席しているときは上司が抜けるのを待ってから退席したほうがいいですよ?」と言われました。最初は何のことを言っているのかわからなかったので「何それ?」と聞いたら「オンライン会議でのマナーです」と言われ、思わず「えっ、いつの間にできたの?」と言ってしまいました。彼女は前から100年に1回しか運用しないような細かすぎるルールや変なマナーを作って他人に押し付けてくることがあって時々イラっとします。勝手に自分でやってくれよと思い、基本は無視しているのですが、その対応でよいのでしょうか?

世の中にはびこる謎マナー

マナーの全てが悪いわけではないのですが、明らかに『それって必要?』というマナーってありますよね。

エレベーターに乗る順番は上司を優先に『どうぞ、どうぞ』とダチョウ倶楽部のように譲るとか、廊下で上司と会ったときは大名行列の如く道を空け、通り過ぎるまでお辞儀をしていなければならないとか、飲み会では上司は上座に座らせ、グラスを空にしないようにお酌合戦をするとか、ビールを注ぐ際はラベルを上にするという『ビール会社が主催の飲み会なの?』と言いたくなるような謎マナーがある始末。

挙げ句の果てには一本締めしたにも関わらず(一本締めという謎の儀式もイマイチ意味がわからない)、上司が帰るのをお見送りするために店の入り口付近で整列して、出入りする他のお客さんにご迷惑をお掛けしてしまう有害マナーもあるんですよ。

ここまで来ると『上司って貴族かなんかなの? 我々庶民とは別種の生き物なの? もしかしたら神なの? マナーを守ればなんかご利益があるの?』と思ってしまいますよね。

日本には過剰な接客がお客様を神様にしちゃった悪しき前例があるじゃないですか、ゆえに無茶な要求をするカスハラが横行しているわけじゃないですか。

上司に対するマナーも過剰なものになってしまうと、『オレ様は神様』と上司が勘違いをして(たかが上司のくせに)パワハラ上司を育ててしまうことになってしまうと思うんです。
マナーを盲信してあまり甘やかし過ぎると、手が付けられないモンスターを作り上げてしまうことになりかねないということですね。

マナーは互いの心遣い

そもそもマナーはルールと違い罰則のあるものではありません。

ルールは規則ですがマナーは心遣いです。

では一体何のための心遣いなのかと言えば『お互いにとって気持ちの良い環境を共有しましょうね』という心遣いなんです。

上の立場の者と下の立場の者、お互いが異なる立場でも、お互いが住みやすい環境にするためのマナーであり、下の者が上の者を気遣うマナーがあるように、上の者が下の者を気遣うマナーがなければおかしいんですよ。

そこら辺の矛盾をマナー番長の方は一体どう解釈しているのでしょうか? 一度お話を伺ってみたいものですね。