衝撃作『アンビリーバブル たった1つの真実』が生み出した、信じられない出来事

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ある少女のレイプ告白をめぐる実話に着想を得たNetflixオリジナルドラマ『アンビリーバブル たった1つの真実』。本作で主人公マリーを演じたケイトリン・デヴァーが、本作に出演後、ある信じられない体験をしたことを明かしてくれた。米Varietyが伝えている。


『アンビリーバブル』は、18歳の少女マリー・アドラーが自宅で侵入者に性的暴行を受けたと警察に届け出るところから始まる。マリーは辛い思いを何度も何度も警察に話さなくてはならず、レイプの事実を調べるために辱めを受けるような検査にも耐えなくてはいけなかった。しかし、普段から素行に問題のあった彼女の訴えは信じてもらえず、発言にも矛盾があったことから担当刑事は彼女の訴えを作り話として片付けてしまう。だが数年後、酷似した手口の事件が続き、二人の女性刑事が捜査に乗り出すことに。

VarietyとiHeartのpodcast番組「The Big Ticket」に登場したケイトリンは撮影当時を振り返り、オーディションを行った部屋には女性しかいなかったことを明かした。「当然ですが、女性は女性だけに囲まれていると安心できます。特に、このようなドラマの場合は、テーマを考えると多くの女性スタッフが作品作りに携わることがとても重要だと思います。女性であればこういったことは全くの他人事ではないと思うので、残念なことですが」

ケイトリン主演映画『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』の撮影最終週に、本作の原作となるポッドキャスト番組の該当エピソードと、ピューリッツァー賞を受賞したメディア掲載記事(T・クリスチャン・ミラーとケン・アームストロングによる「An Unbelievable Story of Rape」)、ドラマ第1話の台本をメールで受け取ったと話すケイトリン。あっという間に読み終わったという彼女の感想は、「きっとこの話は、昔昔の話に違いない」と思ったと話す。しかし実際はごく最近の話で、その事実が彼女に衝撃を与えたと語った。マリーの勇気と勇敢さに感動し、とにかく今まで読んだなかで最も信じられないストーリーだと思ったと率直に述べた。

実在の人物を演じるときは、往々にして、本人に電話をしたり話を聞きに行ったりするものだが、ケイトリンはクリエイターのスザンナ・グラントと相談をして、今回は特にデリケートな問題でもあるので、今自分たちが持っている情報だけで十分だろうと判断し、連絡を取ることはしなかったそうだ。

番組が公開され、本作の共同脚本家でもあり、本ニュース記事を執筆したアームストロングにある日メールで連絡をとったケイトリンは信じられない言葉を目にすることとなる。

「その(返信)メールには、本人がドラマを見て素晴らしいと言ってくれたこと。それから、この番組で気持ちの整理をつけることができたと書かれていました」と話し、それを読んで思わず涙が出てきたと明かした。

本作で、辛い経験をした上に周囲の大人にも信じてもらえないという過酷な想いを見事に表現したケイトリンは、ゴールデン・グローブ賞や英国アカデミー賞にノミネートされるなど、各方面で高い評価を得た。

「このトラウマ的で、悲劇的な恐ろしい話を描いてノミネートされるというのは少し奇妙な感じ」と話し、自身の評価はこの作品が世界を前向きに変えたことのお祝いだと信じていると語った。

『アンビリーバブル たった1つの真実』はNetflixにて配信中。(海外ドラマNAVI)

Photo:『アンビリーバブル たった1つの真実』 (C)Beth Dubber/Netflix