Photo:テールランプをブラックアウトした違法車 ©sawahajime

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●道路運送車両法適合は必須

 日本国内で公道を走っている車は、すべて「道路運送車両法」に適合している筈だ。「適合している筈だ」といったのは、違法改造車が存在するからだ。

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 車検合格後に、勝手に付加物を取り付けたりして、適法から逸脱した車が存在する。

 違法改造車は、学生が制服に加工して、俗にいう「学ラン」にするのとは根本的に意味が違う。学生の珍妙な学ランは、顰蹙をかっても人命に影響しないが、違法改造車は人命に影響するから排除されるべきだ。

●違法車両が引き起こす問題

 当人はカッコいいつもりでストップランプや方向指示ランプにカバーをして、後続車に迷惑をかけたりするが、ブレーキランプの視認性は、後続車のとっさの危険回避に悪影響を及ぼす。

 Photo:テールランプをブラックアウトした違法車 ©sawahajime

 極端なサスペンション設定をして、逆キャンバーになった車は、とっさに危険回避が出来なくて、事故を誘発する。その結果、尊い命が失われるケースも起こる。

●型式認定

 新車を開発したメーカーが、「型式認定」を取得する。これは、公道上を安全に走れる装備、性能を有していると、国土交通省が認めたということだ。

 その型式認定を取得した車が、メーカーで完成車としてラインオフすると、「完成検査終了証」が発行される。この「完成検査終了証」があるから、新車をいちいち車検場へ持ち込んで登録する必要が無くて済む。

 9カ月を経過すると、この「完成検査終了証」が失効するため、その場合は「完成検査切れ車両(完検切れ)」として陸運局へ現車を持ち込んで、検査を受ける必要がある。

 暴走族の改造車の様な極端なもの以外でも、自分勝手に「カッコいい」つもりで、違法な改造をしている車も見られる。

●メーカーは最善を尽くして生産するのに

 本来、自動車メーカーは、考えられるだけの必要で最善だと信ずる装備を備えた車を製造する。勿論コストとの兼ね合いもあるが。

 卑近な例を挙げると、リヤワイパーを外した車がある。

 一般的にはセダンの様な車種にはリヤワイパーは装着されていないが、ワゴンやファストバックの車種には備えられている。

 それは、セダンタイプのリヤウインドウは雨滴で後方視界が妨げられるケースは少ないが、トランク部の無いワゴン車や、リヤウインドウが寝た車では、雨滴が後方視界を妨げる可能性が高いからだ。不要な付加部品は、コストアップに繋がるので、本来は無しで済ませられた方がメーカーにとっては有難い。

 そんなリヤワイパーは、低グレードは無しにして、上位機種だけに「コストアップ覚悟」で装備しているのにも拘わらず、わざわざ取り外している車がある。

 Photo:わざわざリヤワイパーを外した車 ©sawahajime

 ワイパーの代わりに、ミッキーマウスの手の形をした部品を取り付けて、バイバイしているのを見かけたりすると、「頭の悪いヤツが乗った車だ」としか思えない。この場合は当人が後方視界面で不自由する程度だ。

●事故に直結する改造

 しかし、1BOX車で、テールランプに変なカバーを取り付けて、ブレーキランプや方向指示ランプを極端に見えにくくしている輩もいる。それが原因で事故を誘発する場面も起こり得る。

 写真の車は、ブレーキが点灯しても見え辛く、方向指示器も殆ど意味をなさない。

 Photo:ブレーキが点灯しても殆ど役に立っていない ©sawahajime

 自動車メーカーが心血を注いで安全性に注力して設計し、実験を重ねて市場に出した車を、素人が勝手に小細工して何になる。

●ノーヘルバイク

 ヘヤースタイルが崩れるからと、ヘルメットを被らずに乗っている輩もいる。

 本人が単独事故で怪我をするのは、いわば自業自得としか言い様が無い。だが、相手がある事故が発生した場合で、正しくヘルメットを被っていれば軽傷で済んだ様な場合でも、ヘルメットを被っていなかったばかりに、路面に頭部を打ち付けて死亡した場合、相手の車のドライバーは「業務上過失致死」の罪状に問われる。

 違法な改造や、安全性を損なう様な付加物を取り付ける様な真似は、絶対に行ってはいけない。思いあたる向きは、早急に適法な状態に戻そう。