「コナミリアフォ」なARESPEARキーボード、突如発売。価格は本気の約3.3万円

大手ゲームメーカーのコナミが手がける、ゲームPC向けキーボード2モデルが突如発売開始となりました。コナミのREALFORCE(リアルフォース)=“コナミリアフォ”な製品が、ついに購入できる状態となったわけです。

販路は同社のWeb直販『コナミスタイル』限定で、既に注文受け付け中。2モデルの内訳は、テンキーレス日本語配列モデル『ARESPEAR K100L』(上写真)と、テンキー付き日本語配列モデル『ARESPEAR K100F』。価格は2モデルともに3万2780円(税込)です。接続タイプは有線(USB)のみ。

これら2モデルは2020年2月に、ゲーム向けPC『ARESPEAR』(アレスピア)向けキーボードとして突如公開されたもの。業務用ゲーム機を手がける同社らしく、入力精度や耐久性に配慮。結果、高級キーボードとして多大な実績を持つ、東プレ製『REALFORCE』シリーズとのコラボ(ダブルブランド)によるモデルとなっています。

一方で、ゲームPC向けと聞くと“光モノ”かと思われそうですが、これらのモデルは光りません。

▲こちらはテンキー付きモデルのK100F。REALFORCE系だけあり、配列などは良い意味でベーシックです

なお、同時に公開されたARESPEARシリーズのPC本体は「COMING SOON」扱い。PC本体の前にキーボードとヘッドホン(後述)が発売開始された状態となります。

プレビュー時の参考記事:

コナミPCキーボードは驚きの「リアフォコラボ」。ビーマニチーム監修ヘッドホンもアレスピアで(2020年2月)

コナミがゲームPC参入。新ブランド アレスピア3機種は「弐寺完全対応」なタワー型(2020年2月)

▲こちらはテンキーレス版のK100L。本体のベースカラーはブラック系です

キーボードで3万円オーバー、さらに有線接続のみと聞くと、キーボードに馴染みのない方は高価なために驚くでしょう。が、ベースモデルとなったREALFORCEシリーズの同等モデルは、実売でもほぼ同じ。

本モデルには、東プレモデルにはない交換用キーキャップ(後述)などもありますので、コナミ版だからといって高い、というわけではなさそうです。

この2モデルの仕様をREALFORCEシリーズに詳しい方向けに解説すると、「(おそらく)変荷重+静音+APC機能付き」タイプとなります(APC機能については後述)。

変荷重という言葉が突然出てきましたが、これはキー荷重(キーが底に付く際に必要となる圧力)に関する用語。力の入れにくい外側の指(薬指や小指)の位置に来るキーの荷重を軽くし、長時間入力での疲労を軽減するための工夫がなされていることを意味します。REALFORCEシリーズはこの変荷重仕様を含めて、複数の荷重から選べるのがポイント。

K100シリーズの場合、キー荷重のスペックは「45g±15g」という表記となっていますが、シリーズの他モデルに照らし合わせると、REALFORCEの基本と呼べる30/45/55gの変荷重仕様となるはずです。

さて、本モデル――ひいてはREALFORCEシリーズ――が高価なのは、入力時の打鍵感が非常に魅力的で、また他の製品にはない特徴と耐久性を持つためです。

とくに大きな特徴となるのが、製造元の東プレが特許を持つキー構造「静電容量無接点方式」。これはキーの入力検出に(本来は)必要となる機械的接点を廃止することで、高い耐久力を実現するという構造です。

機械的な接触を必要としない、つまり接点の摩耗がないことから、耐久力(キー入力回数)は公称で5000万回以上。さらに公称レベルだけではなく実際に使っているユーザーの間でも、耐久性に関しては非常に厚い信頼性を備えます。

▲機能的にはREALFORCEシリーズでも最上位となる「静音+APC」タイプ。コナミ側の本気度が伺えます

そしてAPCとは、REALFORCEでも高級モデルにのみ搭載される設定機能。「キースイッチがオンになる位置(深さ)を、1キーごとに1.5/2.2/3mmの3パターンから選択できる」という、言わば"反応位置調整機能"です。

このAPCを使うことで、誤入力しやすいキーは深く、高速に反応させたいキーは浅く……といった細かな設定が可能となり、非搭載機種では不可能なレベルでの入力カスタマイズが可能となります。

これは一般的な入力のみならず、ゲーマーにとっても操作ミスを低減できるという嬉しい機能。設定は専用アプリで行えますが、簡易設定(全てのキーに対して同じ深さとする)は、本体のみで設定可能です。

▲公式ページでも「オリジナルデザイン」は強くアピール。REALFORCE好きの間でも話題を呼びそうです

そして“コナミリアフォ”ならではの特徴となるのが、ゲームでの使用頻度が高いWASDの4キー用に用意された交換用キートップ。標準のブラックに対してアイボリー系のため、視認性に優れる(目立つ)点をアピールします。

また、右奥側に入った『KONAMI』ロゴと周囲のプレートがメタリックブルー色になっている点、矢印キーの奥(上)に入った『ARESPEAR Powered By REALFORCE』のブランドロゴなども、従来のREALFORCEシリーズとは一線を画する点。

加えてキーの基本フォントも、従来のREALFORCEシリーズとは異なるオリジナルが使われている模様。このあたりも魅力となりそうです。

▲大型ヘッドホンのH100。左右に位置する金属パーツの色は、ARESPEARイメージカラーのブルーです

合わせてARESPEARシリーズの周辺機器として、耳覆いタイプの密閉型ヘッドホン『ARESPEAR H100』も販売開始されています。コナミスタイルでの価格は1万9580円(税込)。接続は有線(3.5mmヘッドホンジャック)のみです。

このH100は、同社のリズムゲームの主力チーム『BEMANI Sound Team』の監修を受けた点が特徴の製品。言わば「BEMANI(ビーマニ)シリーズを鳴らすためのチューニングが施されたヘッドホン」ということになり、ひいてはある意味「コナミ製オーディオ機器としてのメリットが最大限に発揮されたモデル」と呼べる存在です。

基本仕様は(プレビュー時点と変わりませんが)、かなり高級オーディオ寄りの仕様。ドライバーユニットは直径45mmと大きめで、さらに公称インピーダンス(交流抵抗)も35.9Ωと、ゲーム向けモデルに多い16〜32Ω程度に比べて高めなのがポイント。

公式ページでの特徴紹介にも「最大入力1600mWで高出力ヘッドホンアンプにも対応」といった記載があるため、“リズムゲームマニア兼ヘッドホン沼住人”がターゲットに入っているのは間違いなさそうです。

なお、ビーマニチーム監修という点に関しては、そもそもARESPEARシリーズ自体が(後日発売予定のゲーム向けPC本体を含め)、同社製Windows用DJシミュレーション(リズムアクション)ゲーム『beatmania IIDX INFINITAS次期バージョン』への完全対応をターゲットとしたシリーズという点もポイント。

つまりシリーズのコンセプト自体が「弐寺(beatmania IIDXの愛称)をターゲットタイトルとしたゲーム用デバイス」とも呼べるわけです。こう考えると、キーボードに(実際にキーボードプレイをするか否かはともかくとしても)耐久性に優れるREALFORCEとのコラボを仕掛けるのも納得が行くところです。

右上の『KONAMI』ロゴと矢印キー上の『ARESPEAR Powered by REALFORCE』がポイント。ゲーマーよりもむしろREALFORCEファンの間で人気となりそうな気も

このように今回の3モデルは、プレビュー時にも感じたかなりの「攻めの姿勢」がそのまま感じられる仕様。とくにキーボードは「REALFORCEの中にあっても最上位仕様となるAPC付き」で発売してくるあたりは、コナミ側の気概を感じるところ。

「あのコナミが!!」というブランド力+意外性+本気度という点でも、またありそうで実は少ない「ゲームメーカーが直接手がける、光らないゲーミング周辺機器」としても注目できる存在となりそうです。

Source:ARESPEAR K100L(テンキーレス)販売ページ

ARESPEAR K100F(テンキー付き)販売ページ

ARESPEAR H100(ヘッドホン)販売ページ

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