日本海海岸で発見された大同江生ビール

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 金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党第一副部長の超毒舌が注目される北朝鮮は、新型コロナウイルスによる国境封鎖で経済的苦境に直面しているといわれる。ところが、日本海側の浜辺に流れ着くゴミは減らず、嗜好(しこう)品が目立つという。ペットボトル型の生ビールまで発見された。北朝鮮ウオッチャーの金正太郎氏が足で稼いだ実態を報告する。

 山口県から秋田県まで、日本海沿岸の広範囲に北朝鮮から排出されたプラスチックゴミが無数に漂着している。特に、距離が近い西日本の沿岸には、ペットボトルが2016年ごろから発見されている。

 コロナ禍の今年、海岸線を徹底的に歩いて確認したところ、個体数は多い。3〜4年前は北朝鮮で収穫できるリンゴや桃のジュースが主流だったが、今年は輸入とみられるパインやマンゴーのジュースや、免疫力を上げるためか乳酸菌飲料の容器が多くなっている。

 そして、今月中旬、初めて「大同江(テドンガン)ビール」のペットボトル容器(1・25リットル)を発見した。

 平壌(ピョンヤン)にある大同江ビール工場は、金正恩(キム・ジョンウン)党委員長や与正氏の父、金正日(キム・ジョンイル)総書記の肝いりで2002年に完成した。英国の設備、ドイツの技術を融合し、「さわやかな味わい」が人気という。

 北朝鮮を舞台にした話題の韓流ドラマ「愛の不時着」でも、大同江の缶ビールが登場するほどメジャーな銘柄になっている。

 瓶と樽詰めが主流だったが、北朝鮮系の商品紹介サイト「曙光(ソガン)」によると、昨年6月、「生ビールの濃度と味をそのままに樹脂瓶(ペットボトルの意)が出て人気を集めている」という。

 一部で伝わる、「コロナ鎖国による飢餓状態」は本当なのか?

 宮塚コリア研究所(甲府市)の宮塚利雄代表は「経済情勢が厳しいのは間違いない。韓国の宣伝ビラに激怒しているのも、文在寅(ムン・ジェイン)政権が具体的支援を何もしてこないからだ。それにしても、こんな立派なペットボトル型の生ビールが、日本まで流れ着くとは驚いた。新興富裕層が地方まで広がっている可能性がある」と分析した。

 同国の格差社会を象徴するアイテムのようだ。