27日の巨人戦で満塁本塁打を放つヤクルトの山田哲(C)共同通信社

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 開幕から3カード9試合を終え、6勝2敗1引き分けでセ・リーグの首位を走る巨人。開幕早々、楽天との交換トレードにより、年俸1450万円の池田を放出し、同2億円のウィーラーを獲得するなど、カネに糸目をつけない補強で今季の過密日程を見据える。

巨人ウィーラー獲得「代打要員2人で5億円」に他球団の溜息

 しかし、今オフはこんなものでは済まないともっぱらだ。FA戦線に大物が参戦する可能性があるからだ。

 まずはヤクルトの山田哲人(27)である。2015、16、18年に「3割・30本塁打・30盗塁」を達成。3度のトリプルスリーは史上初である。昨オフの契約更改時に球団から複数年契約を提示されたものの、「FA権を取得するまで単年でいくと自分の中で決めていた」と迷いなく突っぱね、単年契約の年俸5億円でサイン。「FA宣言するかもしれないし、しないかもしれない。でも(権利を)取得することで選択肢は増える」と含みを持たせているのだ。球界を代表する打者だけに、FA権を行使するようなら大争奪戦は必至。「いや、手を挙げられるのは資金力がある一部の球団だけでしょう」と球界関係者がこう言う。

「年俸が5億円と高額過ぎます。コロナ禍でどの球団も経営が苦しい中、最低でも年5億円の長期契約が必要だから、手を挙げられるのは、開幕以降、二塁が固定できていない巨人とソフトバンクの金満2球団と貧打の阪神くらいでしょう」

 巨人はその山田哲に今季もいきなりやられた。27日の2戦目に初戦から2戦連発となる4号満塁本塁打を浴びて逆転負け。巨人戦の打率は・417。原監督の目には、さぞまぶしく映っているに違いない。

 巨人はここ数年、正二塁手が決まっていない。吉川尚が筆頭候補ではあるが、昨年長期離脱を余儀なくされた腰の状態を見ながらの出場が続き、これまでスタメンは5試合にとどまっている。福岡の放送局関係者がこう明かす。

「ソフトバンクも山田哲取りには本気で参戦しそうです。開幕以降、二塁は牧原、三森、川島が守っていて定まっていない。37歳の松田がいまだにレギュラーを張っている三塁も含め、内野全般が補強ポイントでもある。3年連続で日本シリーズを制しても、パ・リーグでは2年連続V逸中。ソフトバンクグループは過去最大となる1兆3646億円の巨額赤字を計上したが、球団経営は完全独立採算制だから心配はないとのことです」

広島エース大瀬良は巨人ファンだった

 巨人とソフトバンクは、来オフも火花を散らしそうだという。

「来年、つまり21年の話ですが、シーズン中に広島のエース・大瀬良(大地=29)が国内FA権を取得します。現在22年ぶりの開幕戦から2試合連続完投勝利中の大黒柱。今季の年俸は1億7500万円だから、山田哲ほどベラボーではないため、FA戦線に出てくれば、争奪戦になるのは間違いない。それでも、巨人とソフトバンクの一騎打ちとみられています。巨人はメジャー志向を公言しているエース菅野が21年中に海外FA権を取るため、去就が不透明。菅野の後を託せる投手なんて球界にそうはいない。大瀬良は九州の長崎と鹿児島で育っていますが、子供の頃は巨人ファンだったそうです。とはいえ、ソフトバンクのお膝元といわれる福岡の九州共立大出身。地元のエースが権利を行使するなら、手を挙げないわけにはいきません」(前出の球界関係者)

 巨人は昨年の日本シリーズでソフトバンクに4連敗を食らい、原監督が「昨年の日本シリーズは全然覚えていない。出たことすら忘れている」と話すほどいまいましい相手である。18年オフに2年連続でMVPの広島・丸をFAで獲得した際、年俸4億5000万円の5年総額25億5000万円で口説き落としている。別の球界関係者が明かす。

「山田哲への提示は少なくても年俸6億円の5年以上。丸以上の最高条件で総額は35億円級になる見込みです。翌年の大瀬良は今季と来季の成績次第だが、年俸3億〜4億円×4年で総額17億円級となるかもしれません」

 巨人は昨オフ、2人のFA補強に失敗したが、今度は負けられない。今オフには山田哲の他に、中日の開幕投手・大野雄大(31)も調査する可能性がある。

「昨季はノーヒットノーランを達成するなど防御率2・58で初タイトルを獲得した。巨人は投手陣に不安を抱えている。FA補強は2人まで可能なので、実績のある左腕は獲得しておいて損はないと手を挙げる可能性が高い。大野雄も山田哲同様、昨オフに3年契約を蹴り1年契約を結んでいる。行使の可能性は十分ありそうです」(中日OB)

 大野雄には年俸2億円の2、3年契約で総額は5億〜7億円。巨人は2年がかりで合計60億円規模の超大型補強を敢行するようだ。