フリーランスは「食える」のか? アンケート調査でわかる実像

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 コロナ禍でより不安定になることが予想される雇用環境。雇われて働くのが難しいとなると、自分のスキルと人脈で収入を得る方向へのシフト、いわゆるフリーランスの道を考える人もいるだろう。

 しかし、毎月決まった報酬がもらえる雇用とは違い、フリーランスはどの程度の収入があるのかは未知数。また、自分の裁量が大きくなるので、雇用されるのとは別の難しさもある。

 実際に、フリーランスはどの程度の収入を得ていて、また現状どのような問題があるのか。2018年からフリーランスの働き方について調査している一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会がまとめた最新調査「フリーランス白書2020」から、その実情を紐解きたい。

(2019年10月23日から11月24日かけてインターネットで調査を実施。有効回答数は601名。年齢層、職種は多岐)

◆収入の分かれ目は就業時間

 はじめに多くの人が最も気になるであろう「フリーランスは食えるのか」という点についてのアンケート結果を紹介したい。

 フリーランスの収入は就業時間と関係が深い。月間就業時間が「140時間以上」という会社員のフルタイムクラスの就業時間、つまりそのくらいの仕事の受注があると、会社員と同等もしくはそれ以上の収入を得られている人が多いことがわかる。

 「140時間以上」の人では、年収400〜600万円の人が最も多く22.7%。次いで多いのが22%で200〜400万。仮に「140時間以上」で200万円台だと心もとなさも感じるが、600万〜800万円が15.4%、800万〜1000万円が12.9%と高収入層も一定数いる。

 本調査で月間就業時間を「140時間以上」と回答したのは全体の50.3%に及ぶ。約半数のフリーランスがある程度の収入を得ていることがわかる。フリーランスというと、「稼げない」「不安定」などのネガティブなイメージもあるが、仕事があれば十分な収入を得られている。そして、そういった人は決して少なくないようだ。

 この傾向は調査が始まった2018年から同様なので、一定の説得力を持つだろう。

◆会社で働いた経験がある人が95.2%、実績と人脈を築いた上でのフリーランス

 しかし、上記の結果だけでフリーランスに展望を見出すのはあまりに早計だ。

 当然であるが、仕事を受注できなければ、収入も何も生まれない。では、フリーランスの人はどうやって仕事を受注しているのか。この点も本調査で明らかにされている。

 直近1年間で最も収入が得られる仕事の受注経路という質問に対して「人脈」が46.1%、「過去・現在の取引先」が29.1%。この二つで全体の75.2%を占めている。次に多いのが「自分自身の広告活動」だが、こちらは6.5%と上位2つに比べると大きく後れを取っている。

 仕事の受注と関連する事柄として、過去にひとつの会社に所属したことがあると回答した人は95.2%を占める。フリーランスとして独立して安定した収入を得るためには、会社で得られた人脈や実績が土台としてかなり重要なようだ。

 フリーランスを始めたいと考えている人は、安定して仕事を受注できるルートがあるのか、仕事を拡大していけるような人脈と実績はあるのか。こういった点をよくよく検討した方が賢明だろう。

◆これからフリーランスを目指すなら

 では、今後フリーランスを目指す人はどういった選択をするのが最善なのか。

 そのヒントをフリパラ歴ごとの集計から読み取ることが可能だ。フリーランスやパラレルキャリアを始めてからの期間を「フリパラ歴」として定義。キャリアの期間ごとにどういった回答をしたのかも本アンケートでは集計されている。

 フリパラ歴が6か月未満、つまりキャリアをスタートしたばかりの人では就業時間が20時間未満が15.7%と一定の割合を占めている。フルタイムクラスではなく、就業時間が短めな人が多く、このことから空いている時間を活用して始められる仕事の需要があること、そういった形でキャリアを始める人が一定数いることがわかる。